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はびこる知的退嬰 甲状腺検査サポート事業④ 第26回「県民健康調査」検討委員会⒃ [福島県民健康調査]

甲状腺検査サポート事業④
半年で「リンパ線に転移している」甲状腺がんに
「甲状腺検査」の2巡目(平成26年、27年度実施)では、FNA穿刺吸引細胞診を行った195人のうち、69人が「悪性ないし悪性疑い」の判定となった。
69人の先行検査(2011平成23年10月9日から平成25年度実施)の結果は、結節やのう胞・嚢胞を認めなかったA1判定が32人、5.0㎜以下の結節や20.0㎜以下の嚢胞を認めたA2判定が31人、それ以上の結節や嚢胞を認めたB判定が5人であり、先行検査未受診の方が1人。
この69人の内44人で手術実施し癌確定(乳頭癌43人、その他の甲状腺癌1人 平成28年12月31日現在)A2やB判定者と先行検査未受診の人は37人だから、少なくとも、結節やのう胞・嚢胞を認めなかったA1判定者が7人が癌確定。つまり、姿が見えなかった状態から約2年間で甲状腺癌が発現し、要手術の状態になった。
A1判定は125908人が受診している。7人だけが発癌でも18000人に1人、32人発癌なら4000人に1人の割合になる。A2判定は119388人だから、31人発癌なら3900人に1人。B判定は1639人だから、5人発癌なら340人に1人。先行検査未受診は23803人に1人。

甲状腺罹患率2012.jpg

先行検査の目的は、被曝によらない通常の甲状腺癌を全て見つけ出す事に置かれていた。A1、A2判定された人達では、目的は達成され、通常の甲状腺癌を全て見つけ出してある。それに、被曝による甲状腺癌は最短5年が定説だった。例えば、「幼少期に頭頸部への放射線療法の治療歴があるか、原爆被爆の経験がある。この場合、早ければ曝露から5年後にがんが出現することがあります。(国際医学情報センター https://www.imic.or.jp/library/cancer/004_thyroid.html )」
だから、3.11前の定説で考えると、5年後の平成28年度からの検査、3巡目「甲状腺検査」で被曝による甲状腺癌は検出、発見されることになる。それが、2巡目で検出、発見された。

はびこる知的退嬰
「甲状腺検査」は空前の被曝者疫学調査である。対象が日本人で被爆時に0~18歳までの約38万人である。広島長崎の原爆被爆の疫学調査LSSは、同じく日本人だが0~70歳以上の年齢巾の被爆者約94,000人と、約27,000人の非被爆者から成る約12万人が対象。それに、3.11核災害の「甲状腺検査」は7か月後に開始されているが、広島長崎は5年経った1950年からだ。だから、これまでの定説と違う結果、事実が出てくることは予期できる。問題は、その事実を専門家が受け入れられない事だ。事実を直視しないことだ。知的退嬰(嬰:みどりご:のようにしり込みして消極的な意。)がはびこっている事だ。

広島長崎の原爆傷害調査委員会ABCCの調査は、その非人道性で避難されているが、甲状腺検査サポート事業もそうした性格が見られる。


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