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米国が核爆弾開発表明--2023年11月1日ー長周新聞より [核のガバナンス]

長周新聞  2023年11月1日ー第9033号 より
米国が核爆弾開発表明
台湾有事での実戦投入を意図 F35戦闘機等に搭載  日本配備の可能性も
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米国防総省が10月27日、F35戦闘機等に搭載する新型核爆弾「B61ー13」を開発するとを開発すると発表した。バイテン政府が進める中国やロシアに対抗する核戦力近代化の一環で「抑止力を強め、同盟・友好国の安全を保障する」と議会の承認と予算計上を待って着手する方針だ。
これまで小型核兵器の開発を推進しできた。そして今度は台湾有事での実戦使用を想定し、新型核兵器の開発を急いでいる。
 ジョン・プラム国防次官補は声明で「安全保障環境の変化と潜在的な敵対国の脅威の高まりを反映したものだ。同盟国を守るため必要な能力を配備する責任がある」と表明。開発した新型核兵器旧式のB61を置き換えるため、米国が実戦配備する核弾頭の保有数が増えることはないことも強調した。
 B61は旧ソ連の地下司令部攻撃用の核兵器B53(九メガトン・広島原爆の約六〇〇倍)の後継兵器として一九六〇年代に開発を開始した。B53はメガトン級の威力はあるが、レイダウン投下(核爆弾を地上にゆっくり降下させ地表で核爆発を起こす投下法)で地表爆発するため、地下通路や地下施設の破壊にあまり役立たない。そのためB61は戦闘機に搭載可能な比較的小型の核爆弾(直径=約三四cm、長さ三・六m)として先端部と尾部を状況に応じて交換し、さまざまな投下形態に対応する仕様となった。B61だけで十数種類のタイプがある。米国が近年、開発に力を入れてきたのは投下後、地中に数び食い込みその後に爆発し地下施設も破壊してしまう地中貫通型核兵器だった。
 さらに二〇一二年からはB1、B2、B52といった大型の戦略爆撃機が核攻撃態勢をとるだけでなく、ステルス戦闘機F-35等への搭載を可能にする小型核兵器の開発を本格化。米空軍は二〇一一年一〇月に、F35A戦闘機からB6ー12統合試験用模型を投下し最終試験を終えたと公表していた。
 ところがバイデン政府は二〇二二年に公表した「核態勢見直し(NPR)」で、ロシアに加えて中国が二〇三〇年代までに「2大核大国」になると主張。核抑止力は「米国の最優先事項だ」とのべ、核兵器の現代化を進める姿勢を明確にうち出した。そして米軍は九月初旬にバンデンバーグ基地(カリフォルニア州)で大陸間弾道ミサイル(ICBM)「ミニットマン3」(核弾頭が搭載可能で射程は約一万kmに及ぶ米軍核戦力の主力兵器)の発射実験を実施。米軍は昨年九月と今年二月初旬にもミサイル発射実験を実施しており、核兵器開発への意欲を国際社会に見せつける勣きとなった。
 そのなかで先月、米国防総省が中国の軍事動向をまとめた米議会向け年次報告書を公表。「中国の運用可能な核弾頭は約五〇〇発以上で二〇三〇年までに1000発をこす可能性がある」と予測し「中国の核の脅威」を強調した。同時期に米議会が超党派でもうけた戦略態勢委員会(委員長・クリードン元国防次官補)も米国政府に核戦力の近代化を求める提言を公表。同提言は二〇二七年~二〇三五年に直面する米国の脅威について「中国の核戦力の急拡大とロシアが核兵器への依存を強めていることが米国の安全保障に前例のない脅威をもたらしている」「(中国やロシアとの)軍事衝突のリスクは嵩まっており、核戦争の可能性もある」と主張。そのうえで米国がアジア太平洋地域で核戦力を強化すぺきだと求める内容だった。こうしたなかで米国による新型核爆弾開発計画が動き出している。
 だがもっとも警戒すべきは「アジア太平洋地域における核戦力の強化」を具体化する「F35搭載可能な新型小型核兵器」の配備先が一体どこになるのか?ということだ。
 F35戦闘機を105機も購入する計画を進めているのは日本であり、「反撃能力」用長射程ミサイルの弾薬庫を一三〇棟整備する方針をうち出しているのも日本である。台湾有事に向けて米軍が日本に小型核兵器を大量に配備しかねない危険な動きも顕在化している。


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