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CAMSの値と炉の状態の推移 東京電力の第三者検証委員会の報告書解読 (103) [東電核災害検証、吉田調書]

東京電力の「福島第一原子力発電所事故に係る通報・報告に関する第三者検証委員会」の検証報告書の解読(103)

CAMSの値と炉の状態
2号機では、3/14 12時頃に仮設交流電源を接続しCAMSの測定を開始した。線量率測定値は小さく、燃料の健全性が保たれていることが示され、15時半頃からしばらく測定が中断されていた。

17時17分に 原子炉水位がTAF有効燃料頂部に到達。このままでは、炉心燃料が露出し、損傷や溶融が始まる。15時半頃から海水を炉注水する消防車が起動して待機している。その消防車の送水・吐水圧力で注水が可能になる炉圧への減圧が必要。そこで18時02分に原子炉減圧開始、原子炉圧力5.4MPa→19時03分0.63MPaと減圧。しかし、18時22分には原子炉水位がTAF-3,700mm に到達し、燃料全体が露出したものと判断される状況。消防車を見に行ったところ、19時20分に燃料切れで停止している消防車を発見。補給し19時54分頃から消防車海水炉注水が再開。約1時間半後の21時30分には700mm炉水位が上昇して原子炉水位TAF-3,000mmになっている。再冠水には至らず、炉心燃料の露出・無冷却時間が最大許容時間を超えている。

炉心損傷
CAMSは14日21時55分から測定を再開した。CAMS測定値は炉心健全時の値から増加しており、D/Wは約8Sv/h、S/Cは約0.5Sv/hで〈SOP導入条件判断図〉でのSOP対象領域に入り、この時点までに既に炉心損傷が開始していることがわかる。23時半頃より急激な増加が確認された。

151217j0130-2号機C-3b.jpg

炉心熔融
次にその測定値を、第三者検証委員会設置の約3か月半前の2015年12月17日に公表されている「2号機14,15日に測定されたCAMS測定値から推定するFP移行挙動について」http://www.tepco.co.jp/cc/press/betu15_j/images/151217j0130.pdfの公表された値を記載する。

14日の23時42分、スクラムから約81時間後時点でのCAMS測定値は、D/Wは22.5Sv/h、S/Cは9.1Sv/h。[炉心損傷割合]の説明図で調べるとD/Wで約5%弱、S/Cで約3%弱で合計約7%となる。炉心熔融と判定できる。

なおD/Wの気相部に希ガスが全量存在すると仮定した場合、D/WのCAMS測定値は約1.2Sv/hだそうである。≪炉心損傷が進展し、希ガスだけでなくヨウ素やセシウム等の揮発性FPも燃料から放出されたと推定(希ガスだけではCAMS測定値を説明することはできない)。≫と東電は「FP移行挙動について」でまとめている。


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