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KK原発の原子力防災/汚染シミュレーションの読み取りのため 大気安定度 [柏崎刈羽原発の防災計画]

東京電力の柏崎刈羽原発(㏍原発)、事故時の住民避難計画を評価してみる。3.11フクシマでは避難先がブルーム風下の方向にあり、逃れたはずが放射能の汚染地になった例があった。kk原発の避難計画では、避難先が風下に計画されており、かつUPZ30km圏の境界付近のPPAに設定されている事が多かった。
[PPA とは、Plume Protection Planning Area(プルーム防護措置実施地域)の略称で、新潟県地域防災計画(原子力災害対策編)では、「屋内退避計画地域」と定義づけて、kk原発から50km圏である。]
北西の風が吹く場合を検討する
準備
風下の南東には群馬県境福島県境の山々がある。この山々をブルームは超えて関東地方に流れていくのだろうか?SPEEDIシミュレーション結果とDIANA評価結果は超えるだろう結果と超えてないだろうとの結果の双方がある。「だろう」というのはSPEEIとDIANAの試算領域を超えているから明示されないが、趨勢から推測されるからだ。それへの原子力安全技術センター:山崎原子力防災事業部参事の解説を読むと、「大気安定度」という用語の事前学習が必要だ。ドロナワで
横浜市環境創造局環境保全部環境管理課監視センター の資料と http://www.city.yokohama.lg.jp/kankyo/mamoru/kanshi/worda/stable.html
ATOMICA(原子力百科事典)の記載 http://www.city.yokohama.lg.jp/kankyo/mamoru/kanshi/worda/stable.html から纏める。
高い煙突からの放出と地上放出の場合で放出された放射性物質の拡散・移動は異なるが、放射性物質を含む空気団(放射性プルーム;または単にプルーム)は風下方向に流れ、大気が不安定の場合(安定度:A、B)には上下左右に、特に上下方向に比較的大きく移動・拡散しながら放射性プルームからの被曝、放射性プルームの吸入による被曝などの被ばくをもたらす。また、放射性物質の沈降・沈着により地表面を汚染し、沈着したブルームの放射性物質による被曝、再浮遊した放射性物質の吸入による被曝、汚染飲食物の経口摂取の被ばくなどを引き起こす。大気が安定な場合(安定度:E、F)はプルームの移動・拡散は相対的に小さく、結果として風下の幅の比較的に狭い、より遠い地域まで被ばくをもたらす。また、大気が安定な場合には、「逆転層」(上空に温度の高い大気層ができる)が生成することがあり、この場合には上空への拡散が起こらず、上方への拡散がない分だけ更に遠い地域まで被ばくをもたらす。
 冬や秋、夜晴れていて星がくっきり見えて風がもなく穏やかな陽の翌朝、放射冷却で地面が冷やされ、地表に接する大気の温度が低下し、結果として上方に向かって気温が高くなる事が間々あるが、それで「逆転層」ができ、この時に事故りプルームができると上空への拡散が起こらず、「上方への拡散がない分だけ更に遠い地域まで被ばくをもたらす。」
このATOMICA(原子力百科事典)には「安定度」がでてくる。
 
ks0672053.jpg
次に横浜市の解説から
 大気安定度分類
工場・事業場や自動車などから大気中に排出された大気汚染物質は、時間とともに大気中に広がって(拡散)、排出源から離れるにしたがってその濃度が薄くなっていきますが、この「濃度の薄まり度合い」「大気拡散混合」あるいは「拡散のしやすさ」は、気温の鉛直(上下)分布や風速などの気象条件によって異なります。この「拡散のしやすさ」の強弱を表すため、気象条件(風速、日射量、雲量など)を組み合わせて考案されたカテゴリー指標(数値ではなく分類)が、「大気安定度分類」。代表的な大気安定度分類としては、拡散しやすい、大気が移動しやすく、同じ場所に止まっていないケースから順に「不安定」(A~C)、「中立」(D)、「安定」(E~F)と「強安定」(G)。
 気温減率
 山の上などの標高の高いところでは気温が地上よりかなり低くなり、100m高くなるにつれて気温が1℃ほど低下します。高度によって気温が低下する割合を「気温減率」あるいは「気温逓減率」といいます。その時の風の強さなども影響しています。
 一方、太陽光などで温まった地表から暖かい空気の塊が、軽くなって上昇運動を起こします。上空ほど気圧が低いため膨張します。空気は熱を伝えにくい物質であるため膨張するのに必要なエネルギーは熱の形で外部からは供給されず(断熱的)、大気塊の内部エネルギーを費やすことになり、その結果、大気塊の気温は低下します。その割合を水蒸気など水分を含む湿った大気の場合は「湿潤断熱減率」と云います。気温が低下して、大気中に水蒸気が含まれうる割合=飽和水蒸気圧が低下します。それで大気中の水分が結露の様に凝結し、その際に水蒸気から潜熱が発生して大気塊に供給されます。
 その大きさは、大気中の水蒸気など水分量によってその値は異なります。カラカラに乾燥した大気なら潜熱の供給が無いので理論的には100m上昇すると気温が0.98℃低下します。これを-0.98℃/100mと記し「d =乾燥断熱減率」といいます。水分を含む湿った大気の「湿潤断熱減率」は100m上昇で低下程度は-0.5~0.7℃程度の幅があります。目安に一般には -0.65℃/100m が使われています。
 中立(Neutral)状態
 その時の「湿潤断熱減率」や「乾燥断熱減率」とその時の「気温低減率」がほぼ同じ場合は、周囲との温度差=密度差がないため、上下方向の動きは起きません。曇りや風の強い場合などが該当します。気温減率が乾燥断熱減率-0.98℃/100mにほぼ等しい場合を「中立」(Neutral)状態といいます。記号は「D」

不安定(Unstable)状態
 晴天の日には、日の出とともに、太陽からの熱で地面が熱せられるため、地面に接している大気塊は地面からの熱で暖められて膨張し、密度が小さく(軽く)なって上昇します。このため、時間がたつにつれて地表付近から気温が上昇して、日中には地表付近が高温で上空が低温という気温の上下(鉛直)分布が出現します。
このように、大気の上層と下層との間に温度差(密度差)が生じることにより、上昇気流が発生して、鉛直方向に対流が発生します。
 この対流が発生している層(混合層)では、地表付近で排出された汚染物質を含む大気塊は、対流により上空に運ばれて拡散し、大気汚染物質の濃度が薄まります。この状態のことを「大気が鉛直方向に移動しやすく、同じ場所に止まっていない」という意味で、「不安定」(Unstable)状態にあるといいます。
記号は強い順に「A」「B」「C」
安定(Stable)状態
 風の弱いよく晴れた夜間などには、地面から天空に向かって放射される赤外線(熱)を遮断する雲がないため、地面からの放射(赤外放射)の度合いが強くなり、地表付近はどんどん熱が奪われて冷えます。この場合は地表付近は低温で上空が高温となるため、対流は発生せず、汚染物質は拡散しにくくなります。この状態のことを「大気が元の位置から動きにくく、外力に影響されず安定している」という意味で、「安定」(Stable)状態にあるといいます。記号は「E」「F」
 強安定
 さらに、地表付近の気温が低下すると、地表付近の気温が上空よりも低くなるという通常とは逆の現象が発生することがあります。この状態のことを通常とは逆転しているという意味で気温の「逆転」(Inversion)といいます。(特にこの場合を「接地逆転」といいます。)
 気温の逆転が発生している層を「逆転層」といい、大気の安定の程度が強く「強安定」状態となり、汚染物質は上空に拡散せず地表付近に滞留して、濃度が高くなる場合があります。記号は「G」

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