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TIP配管、TIPボール弁は隔離弁になるのか [柏崎刈羽原発、施設設備]

TIP 原子炉核計装系:reactor neutron monitoring system(原子炉の中性子監視システム): nuclear instrumentation system(核計装)の移動式炉心内計装・トラバース式中性子検出器:Traversing Incore Probing System(TIP)
原子炉状態を核分裂で発生する中性子で監視するための装置。
中性子を数える
一定の断面積を一定の時間に通過する中性子の数で核分裂の様子を知ることができる。一定の断面積を、一定の時間に通過する中性子の数は、中性子の速度が一定ならば、その一定の時間の速度の長さで底面が1平方センチメートルの柱体の空間にある中性子の数である。一定の時間に流れゆく中性子流、中性子の束とイメージされる。それで中性子束(ちゅうせいしそく、Neutron flux)と名付け、定義は1平方センチメートル、1秒としている。単位は cm -2 ・sec -1。
設計性能
原子炉停止状態から定格出力の125%までの原子炉出力を適切な中性子束検出装置によって測定する。
TIP測定原理03.gif原子炉の監視の他に、運転時の異常な過大な原子炉出力の発生によって、燃料被覆管が損傷するおそれのあるときに、これを未然に検出して、原子炉をスクラムさせ燃料被覆管の損傷を防止する機能。
あらかじめ定めた出力以上では制御棒引抜監視装置により燃料の許容設計限界を超える前に制御棒の引き抜きを阻止する機能を持たされている。

 
中性子束モニタリングには、起動領域での核分裂電離箱方式モニタ及び出力領域での核分裂電離箱方式モニタをもちいる。計測電流は通常、非常に微弱であり、これをプリアンプで0~10V程度に増幅する。この増幅の方法により、モニタはに分類されます。この2種類のモニタ・計測器は、使用と共に中性子やガンマ線を浴びて感度が減衰する。その感度の変化具合を調べ、測定値を正す(ゲイン校正)が必要になる。原子炉運転時においても保守、調整及び校正を行うことができる設計がされている。
配置
東通TIP-59bsiryo5.jpg
起動領域モニタ(SRNM) Start-up Range Neutron Monitor
モニタは炉内固定
出力領域モニタ(PRM):Power Range Monitor
TIP-LPRM.jpg(a) 局部出力領域モニタ(LPRM):Local Power Range Monitor
A,B.C,Dの4個の独立した検出器を軸方向(上下)に等間隔に配置し、炉心の局部出力の連続測定を行う。あらかじめ設定した値になった場合に警報を出す
(b) 平均出力領域モニタ(APRM)Average Power Range Monitor
平均出力領域モニタは、あらかじめグループ分けした局部出力領域モニタの、各増幅器からの出力信号を平均化する機器で構成
原子炉定格出力の125%までの原子炉平均出力を連続して測定し、指示及び記録を行う。

(c) 移動式炉心内計測装置(TIP)
測定値を正す(ゲイン校正)が必要になる。感度が既に分かっている測定器を原子炉外から原子炉内に送り込んで、局部出力領域モニタと同じ場所を同じ時刻に測って、両方の測定値を較べてみる。その装置が Traversing in-Core Probe 移動式炉心内計装装置、略してTIP。その計測器を炉心内の各位置に設置された校正用導管(案内管)までの移動を導く管を案内管という。導管は、炉心内からドライウェル内の校正用導管選択装置まで延びており、校正用導管を、3グループに分割し、グループごとに検出器駆動装置を設ける。
検出器の炉心内への挿入及び引き抜き操作は、らせん状巻線のついた同軸ケーブルを駆動装置の歯車によって駆動し、検出器を移動させることによって行う。
 
TIP-LPRM8.jpg
 
ボール弁は隔離できるか
2004平成16年10月20日のKK6号機(ABWR)のTIPの保安規定違反の件の報告書(12月17日付)より
http://www.tepco.co.jp/kk-np/nuclear/pdf/16121701.pdf
10月20日15時頃からTIPを操作
10月20日17時頃に作業終了
TIP検出器を原子炉格納容器に出し入れする際に開閉するTIPボール弁の一つ、3弁のうちの一つが「閉」表示にならなかった。
 
TIP-KK6.jpg
翌10月21日午前中の調査で、当該ボール弁は手動操作で全閉しない場合に格納容器隔離信号が発生しても自動的に全閉しないことが判明。
TIP系に付属する、TIP検出器がボール弁より後方にある遮蔽容器内にある事を検知する近接スイッチが有るとする信号を送らないと動作不良では閉まらない。切り離したところ13時37分にボール弁を全閉できた。
17時の作業終了時には、TIP検出器はらせん状巻線のついた信号同軸ケーブルを駆動装置の歯車によって駆動して遮蔽容器に回収されていたのであろう。だから、近接スイッチの動作不良と当直長(運転責任者)の「万一格納容器隔離信号が発生した場合には当該(ボール弁の隔離弁)は自動的に『閉』するものと考え、翌日(10月21日)の対応で問題ない」の判断の適否検討で報告は納めている。

校正作業中に起きたら
 しかし、格納容器隔離弁が目的とする格納容器バイパスを防ぐという視点での評価がない。15~17時の間に校正作業中に格納容器隔離信号が発生した場合にボール弁が全閉して隔離できたかという評価がない。
 らせん状巻線のついた信号同軸ケーブルがボール状の弁に挟まって、全閉はしないだろう。それともケーブルを切断できるのか?炉心溶融すれば原子炉内に漏洩口ができる。全閉してなければ、格納容器の外に漏出口があるのだから格納容器をバイパスして放射能が漏えいする。

TIP_image2387-2.jpg



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Austjeshy

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by Austjeshy (2019-04-17 10:46) 

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