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「長期エネルギー需給見通し」へのパブコメ草案、対象-全体 7/1 [エネルギー基本計画]

「長期エネルギー需給見通し」へのパブコメ草案 対象 全体
パブコメは⇒ http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=620215004&Mode=0

(1)原子力発電ゼロの国民意思と現実を無視
日本は、2013年9月15日以降、原子力発電はゼロである。それは、様々な世論調査で判明している様に、日本国民が原子力発電を望んでいないからである。このエネルギー需給の見通し(案)《以下、見通し(案)と記す》では、その国民意思をれを原子力発電所のリスクの問題に矮小化している。先ず日本国民が原子力発電を望まない社会的現実から、エネルギー需給の見通しの検討は始めるべきである。即ち、原子力発電ゼロを前提とした未来予測と原子力発電ゼロで行くための政策的制度的努力・施策を明らかにすべきである。それが、この見通し(案)には欠けている。

(2)需給一体化
コジェネや太陽光発電PV技術の発達は、電力の消費者だった人々が、電力の生産者、発電事業者も兼ねるようになっている。屋根の上にPVの太陽光パネルを載せ、その発電を先ず自家の家電やヒートポンプHPに使い蓄熱、蓄冷に使い、蓄電池に蓄え、なお売電する。日が陰り夜になったら蓄えた電気を使い、お湯を冷水を冷暖房し不足の時は売電する。コジェネ(電熱併給)では、熱も他者へ供給(売る)する。そういう人々が登場してきた。そのことが取り入れられていない。相変わらず、巨大発電所と送電・配電網で繋がる消費者という上流下流モデルを前提にしている。それは、見通し(案)の「徹底した省エネルギー(節電)の推進」との文言に顕れている。需給一体化した世帯や事業者は、買電量は減るが自家消費量を含めた使用する最終エネルギー消費は減らないだろう。逆にみれば需給一体化した世帯や事業者が増えるほど、日本全体では節買電≒省エネが拡大する。

(2)-1 メガソーラー
 この現実とずれた意識が、メガソーラー偏重の問題を生み出している。
 2008年の「長期エネルギー需給見通し」や「低炭素社会づくり行動計画」(2008 年7月閣議決定)では、2030年の太陽光発電PVの規模を約5300万kWとし約6割の約3180万kWが住宅、約4割の約2120万kWは非住宅としている。この見通し(案)の関連資料では2030年に規模を約6400万kWとし約14%の約900万kWが住宅、約85%の約5500万kWは非住宅としている。非住宅のメガソーラーが異様に増えている。
 メガソーラーには省エネ効果は期待できない。

 また、メガソーラーは環境破壊的である。太陽光は生態系の一次生産者:植物のエネルギー源である。それより高次の生物の根源的エネルギー源である。これまで草地林地であった処を切り拓きメガソーラーを設置すれば、そこの植生、生態系は開拓で物理的に破壊されるだけでなく、エネルギー源である陽光が奪われるのだから再起不能になる。住宅は既に環境生態系破壊されている。見通し(案)の基本的視点とする環境適合(Environment)で、著しく悪い。
 従来の上流下流モデルにメガソーラーは適合している。見通し(案)が基本的視点という環境適合とは、温室効果ガス削減だから、その点は合格している。見通し(案)は意識が従来通りであるから、生態系環境の破壊問題が見えてこない。それは、原子力発電の環境適合(Environment)を問題にしない点にも顕れている。

 またこれは、PV電力価格を押し上げている。2030年のPV電力買入価格は住宅からの10kW未満の13円/kWhなのに、非住宅のメガソーラーの10kW以上は22円/kWhだから、PV買入価格全体平均では20.6円/kWh。2008年計画の比率なら16.6円/kWhである。見通し(案)の基本的視点とする経済効率性(Economic Efficiency)で、目配りが足りない。見通し(案)を再検討すべきである。

 2008年の見通しは、2011年から2020年の間は新築戸建で約21万戸/年、既築で5万戸/年の年に約26万戸の住宅PV導入を計画している。2008平成20年の住宅・土地統計調査(総務省)と2013平成25年を較べると、この期間内に105万戸増加し157万戸になっている。総務省は「東日本大震災以降,住宅の設備の中でも省エネルギー設備等に対する注目が高まっています。特に太陽光を利用した発電機器については,技術の発展や補助金制度の整備によって住宅への設置が急速に進みつつあります。」と解説している。だから105万の大半は2011年3月以降着工で2013年10月25日(調査日)までに完成したものだろう。日本の住宅数は6063万戸で4kWの太陽電池モジュールの設置面積は約25〜40平方メートルだから敷地面積75平方メートル以上の設置しやすい一戸建ては2561万戸(約42%)。この全てに4kWのPVシステムを設置した場合、約一億kWの設備容量になる。住宅のPV導入設置数を見直すべきである。その省エネ効果も見直すべきである。

技術の発達が生み出した需給一体化を組み入れ、意識改革を行い、再検討すべきだ。

以上


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