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地震(審査書案10~20頁)について、四電・伊方原発パブコメ201506、② [核のガバナンス・パブコメ]

地震(審査書案10~20頁)について 2015/06/18/11
●意見の骨子
伊方3号機のすぐ傍には480kmという長大な活断層が走っている。それにもかかわらず、基準地震動Ss-1は650ガルと評価されて妥当と審査されているが、これは余りにも過小評価である。評価方法に整合性がなく、同じ断層でありながら武村式を適用した基準津波の評価より著しく過小評価になっている。基準地震動Ss-2も過小評価している。
それゆえ、基準地震動の評価を全面的にやり直すべきである。

●意見

伊方3号機の震源を特定して策定する地震動のうち内陸地殻内地震に関しては、和歌山県から九州内陸に至る長さ480kmの活断層が基本震源モデルとされている。この活断層は伊方原発の近くでは、長さ54kmの敷地前面海域断層群であり、伊方原発とはわずか7kmほどしか離れていない。それで基準地震動650ガルを産出している。

比較のために高浜3・4号機の場合には、基準地震動を引き起こすFoA-FoB-熊川断層は、長さ63.4kmで高浜原発との距離は約13kmである(平成26年5月9日審査会合資料1-3)。それで高浜原発の基準地震動700ガルで数値的には大きいが、高浜原発より明らかに伊方原発の方が厳しい条件に置かれているから、伊方原発の方が過小評価である。

◇伊方3号機に津波を起こす波源の基準断層モデルについては、「地震規模は武村(1998)を用いた評価を基本とする」(2015年3月20日審査会合資料3-5-1、39頁)とされている。実際、活断層の基本は長さ87kmの敷地前面海域断層群+伊予セグメントで、これに武村式(断層長さ―地震モーメント関係)が適用され地震モーメント(地震の規模)が計算されている。ところがこのうち、54 kmの敷地前面海域断層群については、前記のように、基準地震動評価では入倉・三宅式(断層面積―地震モーメント関係)が用いられている。もし、基準地震動についても武村式(断層面積―地震モーメント関係)を用いれば、地震モーメントは入倉・三宅式を用いた場合の4.7倍になる。同じ断層なのだから、安全側に武村式で評価すべきである。

◇震源を特定せず策定する地震動は、2000年鳥取県西部地震および2004年北海道留萌支庁南部地震を参照してこれをベースに水平方向620ガルとしている。基準地震動の審査ガイドで参照を求めている原子力安全基盤機構の報告書ではM6.5で1340ガルになることを示している。中越沖地震で基準値を大きく超えた柏崎刈羽原発の1699ガルを経験しているが、事前に予測されておらず、要因を地盤増幅等に求めているが、いずれもまだ確定したものではない。自然現象は未知の部分が圧倒的に多く、かつ、ばらつきの大きいのだから、これまで経験した最大既往の値を用いるべきである。即ち、基準地震動Ss-2の最大加速度はすなくとも既往最大の1700ガルにすべきである。

●結論
基準地震動Ss-1については、最低限、基本となる敷地前面海域断層群+伊予セグメントについて武村式で評価し直し、さらに480km断層群の評価をそれに準じてやり直すべきである。基準地震動Ss-2もの最大加速度はすなくとも既往最大の1700ガルにすべきである。また、原子力規制委員会は高浜原発仮処分の決定を真摯に受け止め、基準地震動の評価を全面的に見直すべきである。

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