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原発を環境アセスメントから外す改正案、環境影響評価法(平成9年法律第81号)への組込み パブコメ [被曝管理]

事業の環境影響への評価、いわゆる環境アセスメントの法制度である環境影響評価法(平成9年法律第81号)に、放射性物質(放射能)を組み入れる改正が行われることになった。その改正案へのパブリックコメントの募集が2015年5月16日締切であった。名称は長く判りにくい。

発電所の設置又は変更の工事の事業に係る計画段階配慮事項の選定並びに計画段階配慮事項に係る調査、予測及び評価の手法に関する指針、環境影響評価の項目並びに当該項目に係る調査、予測及び評価を合理的に行うための手法を選定するための指針並びに環境の保全のための措置に関する指針等を定める省令の一部を改正する省令案に関する意見の募集について

 http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=595115032

環境アセスメントから原発を外す
改正案の最大の問題点は、原子力発電所の稼働によって、稼働中の事故によって環境中に撒き散らされる放射能の環境アセスメントを行わない事である。

送付したパブコメ
(1)環境要素に、「一般環境中の放射性物質について調査、予測及び評価されるべき環境要素」として、「放射線の量」を追加しているが、これだけでは非常に曖昧である。放射線のアルファ線、ベータ線、ガンマ線という種類別、線源毎の濃度とより詳細にすべきである。

(2)参考1、参考2で、「放射線に係る環境影響」という語句が多数使われている。この改正は放射性物質の影響を評価対象とする改正であるから、「放射線に係る環境影響」という語句を「放射性物質に係る環境影響」と正すべきである。

(3)「(2)環境影響評価の項目等の選定に関する指針」の「① 放射性物質に係る環境影響評価の項目」に、設置される又は設置されている原子力発電所と火力発電所の稼働による放射性物質の影響、放射線の量を設けるべきである。
 原子力発電所は事業の性質から、放射性物質が相当程度拡散又は流出するおそれがあると判断される。火力発電所は、燃料に含まれる放射性物質を排気と排水で環境中に排出するから、放射性物質が相当程度拡散するおそれがあると判断される。それ故に、原子力発電所と火力発電所の稼働による放射性物質の影響を「環境影響評価の項目」に設ける必要性がある。

より詳細には次のように考える。

(a)調査すべき情報
・放射線の量(アルファ線、ベータ線、ガンマ線の種類別、線源毎の濃度など)の状況
・気象の状況
・地震の状況

(b)調査の基本的な手法
・文献その他の資料及び現地調査による情報の収集並びに当該情報の整理及び解析

(c)調査地域
・放射性物質の粉じん、ガス等の拡散の特性を踏まえ、放射性物質に係る環境影響を受けるおそれがある地域

(d)調査地点
・放射性物質の粉じん、ガス等の拡散の特性を踏まえ、前号の調査地域における放射性物質に係る環境影響を予測し、及び評価するために適切かつ効果的な地点

(e)調査期間等
・放射性物質の粉じん、ガス等の拡散の特性を踏まえ、(c)の調査地域における放射性物質に係る環境影響を予測し、及び評価するために適切かつ効果的な期間及び時期

(f)予測の基本的な手法
・事例の引用又は解析
・原子力発電所では、TMI事故、チェルノブイリ事故、東京電力福島第一原子力発電所事故を引用又は解析
・原子力発電所では、原子力規制委員会での原子力発電所の新規制基準適合性に係る審査に審査れた事項の引用又は解析

(g)予測地域
・(c)の調査地域のうち、放射性物質の粉じん、ガス等の拡散の特性を踏まえ、放射性物質に係る環境影響を受けるおそれがある地域

(h)予測地点
・放射性物質の粉じん、ガス等の拡散の特性を踏まえ、(g)の予測地域における放射性物質に係る環境影響を的確に把握できる地点

(i)予測対象時期等
・発電設備の稼働に係るものにあっては、当該稼動による放射性物質に係る環境影響が最大となる時期
・発電設備の廃止に係るものにあっては、当該廃止による放射性物質に係る環境影響が最大となる時期

以上


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