SSブログ

融けた炉心の行方 2006年の東芝の予測 [AM-メルトスルー、CCI]

東芝は2006年以降も次々と特許を出願している。特許出願は、特許法64条で原則として出願後1年6月で自動的に公開される。公開されている出願文書をみると、3.11東電核災害があたかも予見されているようだ。予見というより東電核災害は教科書的な経過をたどったのだろう。前は、建屋での水素爆発を取り上げた。今回は、融けた溶融燃料は何処へ。
2009年6月に出願した特許№5306074「原子炉格納容器ドレンサンプ」。出願番号2009-151117、公開番号2011-007613である。現在も特許維持している。
http://astamuse.com/ja/granted/JP/No/5306074
「溶融コリウムに対し、・・ドレンサンプ内への流入を防止し、適切に冷却できる原子炉格納容器ドレンサンプを提供する」発明である。類似の特許が1994年に出願されたGEの特許№3510670の「コリウム遮蔽体」である。出願番号1994-145209、公開番号1995-140288である。現在は特許の権利は破棄されている。http://astamuse.com/ja/published/JP/No/1995140288  東芝はこのGEの「コリウム遮蔽体」を引用して特許を説明している。
背景技術
コリウム遮蔽体の公開情報より
「格納容器は、通例、事故の発生時に予想される高い圧力を内部に閉込めかつそれの結果として多量の核放射線が放出されるのを防止し得るように設計された鋼製ライナを内側に有するコンクリート構造物である。また、圧力容器の下方に位置する下部ドライウェルは1つ以上の水溜めを含むのが通例である。かかる水溜めは漏れ出た水を集めるために役立つものであって、こうして集められた水は次いでポンプによって除去される。炉心が融解して(コリウムとして知られる)高温の溶融炉心残骸を生じるような重大な事故が発生した場合には、格納容器およびペデスタルに顕著な損害を及ぼすことなしにコリウムを格納容器の内部に適宜に閉込めることが必要である。液状のコリウムは格納容器の床面に沿って広がるから、障害物が存在せずかつ床面が一様に平坦であれば、それの流れはかなり一様な厚さを有することになる。そうすれば、液状のコリウムを一様に冷却凝固させることができるわけである。なお、液状のコリウムは原子炉の運転停止後にも熱を発生する溶融炉心を含んでいるから、適当な冷却が維持されなければそれは再び液化することがある。」
圧力容器の下方には水溜めが配置されているから、水溜め内に流入して蓄積した液状のコリウムは下部ドライウェル内の床面の残部に存在するものよりも実質的に大きい厚さを有することになる。水溜め内に存在する液状のコリウムの厚さが大きいことは、それの冷却可能性を低下させる。その結果、液状のコリウムを凝固させ、それの内部で発生する熱による再液化を防止し、かつ床材との反応による放射性物質および非凝縮性ガスの放出を防止することが益々不確実になるのである。」
以上、
原子炉格納容器ドレンサンプの公開情報より
「溶融コリウム(炉心溶融物)は、・・格納容器に流出し、・・床上に堆積した溶融コリウムは、格納容器床を構成するライナーやコンクリートを溶融浸食し、格納容器バウンダリを破損させる虞がある。また、溶融コリウムとコンクリートとの化学反応によって生成される二酸化炭素や水素等の不凝縮性ガスが、格納容器内を加圧し、格納容器バウンダリを破損させる虞がある。このため、これらの影響を緩和する手段として、溶融コリウムの堆積した格納容器領域に冷却水を導くことによって溶融コリウムを冷却し、格納容器コンクリートとの反応を抑制する方策が従来から提案されている。」
「原子炉圧力容器からの溶融コリウムの流出先である格納容器床には、1つ以上のドレンサンプが設置されている。このドレンサンプは、原子炉の運転中に生じる可能性のある漏洩水を集水し、原子炉からの漏洩を検知するためのものであって、サンプ内に集水された水(ドレン水)は、サンプ上蓋の上に備えられたポンプによって配管を介して格納容器外へ移送される構成となっている。」
「炉心が溶融するような事態が万一生じ、更に、溶融コリウムが格納容器に流出するような事態に至った場合、溶融コリウムは格納容器床上を拡がり、ドレンサンプ内へ流入・堆積する可能性がある。すなわち、サンプ上蓋の上に設置されているドレン水移送ポンプ及びサンプ内からドレン水移送ポンプへの吸水配管が、原子炉圧力容器から流下する溶融コリウムと接触する可能性も完全には否定できない。このため、流下する溶融コリウムによってサンプ内からの吸水構造部分が溶融破損すると、溶融コリウムが容易にサンプ内へ流入することになる。この場合、サンプ内の溶融コリウムは、格納容器床面に存在する溶融コリウムよりも実質的に大きい厚さを有することになるため、その冷却可能性が低下し、格納容器の防護が困難になる虞がある。」
以上 

東電核災害
handouts_111130_06-jコアコンクリート-002.jpg
handouts_111130_09-j.jpg
炉心状態、東電_111130_09-j.jpg


タグ:格納容器
nice!(0)  コメント(1)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 1

JanTevy

Lasix Uk Online <a href=https://apcialisle.com/#>cheapest cialis</a> Viagra GСЂВ nСЂВ rique En Ligne <a href=https://apcialisle.com/#>Cialis</a> Canine Keflex
by JanTevy (2020-04-01 00:45) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0