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既設炉へのコアキャッチャー設置のバックフィット [AM-メルトスルー、CCI]

 既にある原発への設置
GEヒタチのコアキャッチャーのBiMAC( Basemat-internal Melt Arrest Coolability 基盤内部溶融阻止冷却装置)、東芝の①特許№4612558「コアキャッチャーおよび原子炉格納容器」はESBWR以外の原子炉にも使えるとしてある。しかし、既に建設され運転されている原発に後から設置できるとはなっていない。
 しかし②特許№4828963「炉心溶融物冷却装置、原子炉格納容器および炉心溶融物冷却装置の設置方法」は可能とされている。「本実施の形態では、水チャンネル、耐熱材、給水チェンバー、および、給水配管などの配管の組み合わせで構成されているため、大型の容器などを製造する必要が無い。このため、既設の格納容器に新たに炉心溶融物冷却装置を設置する場合など、大きな物をペデスタルに搬入することが困難なときであっても、別途製造した各構成部材をペデスタルの内部に持ち込んで、現場で組み立て施工が可能」と記載されている。
 この特許では、「直径10mのペデスタル場合でも、水チャンネル壁の合計伝熱面積は82m²程度となるため、水チャンネルだけで最大41MW程度の除熱が可能である。」とされている。柏崎刈羽原発6、7号機のABWRはペデスタルの直径は10.6mだから、東芝の言う通りなら設置可能である。だが、設置は検討すらされていない。
 東電核災害後、資源エネルギー庁は、国内すべての原発へのコアキャッチャー設置を目指している。2012年平成24年度発電用原子炉等安全対策高度化技術基盤整備事業(薄型コアキャッチャーの開発に向けた基盤整備)である。報道によれば東芝が請け負って、直径約6m規模で開発が進んでいる。(テレビ朝日2014年7月12日
http://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000030550.html
 
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バックフィット制度 
 この薄型の開発完了を待たなくとも、炉直下のBWRならペデスタル、PWRならキャビティという箇所の直径が約10mあれば特許№4828963のコアキャッチャーが後付できるか、検討すべきではないか。原子力規制委員会は「追加の工事が現実的に不可能」としていると報じられている。委員会は、きちんと検討しているのか。
BiMACは「最も発生の確率が高い重大な原子力プラント事故後に少なくとも24時間格納容器の完全性を維持し、炉心とコンクリートの相互作用を伴う既知の事故シナリオにおいて0.1%又はそれ未満に格納容器破損の可能性を低減すること」を最終目的に、米国エネルギー省DOEから政府資金の支援をうけて開発されている。この目標を達成しているだろう。東芝の特許№4828963「炉心溶融物冷却装置」の事故リスクの低減効果は、「0.1%又はそれ未満に格納容器破損の可能性を低減」など数値的には明示されていない。が、BiMACに対抗して開発されたのだから同程度はあるだろう。こうしたリスク低減は積極的に追及すべきだ。
 東電核災害をみても核災害は壊滅的損害・ハザードを顕す。だから、建設後に開発されたリスク低減技術で後からでも適用可能なものは積極的に取り入れるべきである。法律的には、原子炉等規制法に導入された、既存の原発に新基準を適用する「バックフィット」制度によることになる。

「仮に再稼働するというならば,さまざまな工夫と研究開発によって設置を実現すべきである。技術的に可能な対策はすべて実施することを規制委員会は基本方針とすべきであり,それができない原発は廃炉にするしかない。」(井野博満、滝谷紘一)


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