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三菱のコアキャッチャー 東電核災害の前と後とHP-APWR [AM-メルトスルー、CCI]

日本のPWRメーカーは三菱です。東芝と日立が日本のBWRメーカーです。三社ともコアキャッチャーの特許出願をしています。それも2011年3月の東電核災害の前に出されています。
2010年 東電核災害前 なんだこれは
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三菱は、①2006年12月に「溶融物の粒状化促進装置及び原子炉格納容器」と題する加圧水型原子炉と直下のキャビティとの間に落下するデブリの粒状化を促進する粒状化部材62を設けて「溶融物を適正に粒状化して早期に冷却することで安全性の向上を図った」発明で出願番号2006-346627、公開番号2008-157744で結果は出ていない未査定です。http://astamuse.com/ja/published/JP/No/2008157744

②2009年5月に「溶融物の冷却促進装置及び原子炉格納容器」と題する出願をしている。出願番号 2009-116770、公開番号2010-266286だが特許を認められていない。拒絶査定(最終処分)

③2010年2月に出願しています。三菱は従来のコアキャッチャーでは「溶融物が山状に堆積した場合には、溶融物を十分に冷却することができず溶融物が再臨界を引き起こす危険性があった。」と指摘。「原子炉から流出した溶融物やデブリを小分けに堆積させて、高温の溶融物やデブリを十分に冷却することができる溶融物冷却構造」「これを備えた原子炉格納容器およびこれを備えた原子力プラントを提供する」特許を出願している。出願番号PCT/JP2010/064233で2011年9月に公開された。公告番号は2011104908 A1で「溶融物冷却構造、これを備えた原子炉格納容器およびこれを備えた原子力プラント」、2014年12月現在で未査定の状態。http://www.google.com/patents/WO2011104908A1?cl=ja

 原子炉RV直下に捕捉板を設置する。補足板は傾斜していて、溶融物が流入する筒が複数の設けられている。筒は冷却水(冷却材)に漬かって、冠水している。流入する高温の溶融物は、外面を覆う冷却水に熱を奪われる。熔融部は筒部に流入し小分けにされて冷却効率が向上する装置である。三菱は「流出した溶融物を早急に冷却することができる。したがって、溶融物が再臨界になることを防止して、原子炉格納容器の安全性を確保することができる。」「溶融金属(溶融物)と、冷却水(冷媒)とが直接接触することを防止しつつ、溶融金属を冷却することができる。したがって、加圧水型原子炉(原子炉)から流出した溶融金属が冷却水に接触することによって生じる爆発を防止することができる。」と主張している。
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東電核災害後 上部凹部を有する炉心溶融物の貯蔵所
2012年4月に「溶融物の捕集装置」を出願している。出願番号2011-251992、公開番号2013-108772で未査定の状態です。
http://astamuse.com/ja/published/JP/No/2013108772
 三菱は仏アレバのコアキャッチャーの貯蔵所の床、冷却する床部はは底面の凹部を付けた板が敷かれている。その凹部に冷却水が流れる。三菱はメルトスルーしたら原子炉格納容器で、落下した溶融物を「一時冷却し、その後に取り出す必要がある。」しかしアレバのような従来の装置では「この溶融物を効率的に冷却することが困難である。」。三菱は「溶融物を効率的に冷却するために、この溶融物を複数の小堆積物に分離し、所定の間隔をあけて保持して冷却することが望ましい。」「落下する溶融物を早期に冷却することで安全性の向上を図る」装置が出願の「溶融物の捕集装置」であるとしている。
 それは炉心溶融物の貯蔵所の床部を次のようにする。縦横に冷却水の通路を設ける、その通路の間を凹みを設ける。複数の凹部を千鳥状に設ける。三菱は「溶融物は捕集面で受け止められて拡散され、この捕集面にある複数の凹部に捕集され、この複数の凹部に捕集された小体積物としての溶融物は、冷却媒体流通路を流れる冷却媒体により冷却されることとなり、原子炉から落下する溶融物を小体積物に分離し、この溶融物を早期に冷却することで安全性の向上を図ることができる。」としている。そして「沸騰型原子炉(BWR:Boiling Water Reactor)に適用することもでき、軽水炉であれば、いずれの原子炉に適用してもよい。」としている。
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典型的な炉心溶融物の崩壊熱は、定格熱出力の約1%と考えられ、例えば、定格熱出力が4000MW(電気は約1/3の1300MW・130万kw.)の炉の場合では約40MWの発熱量になる。炉心溶融物へ注水し炉心溶融物上面の水を沸騰させて冷却する方法では上面の沸騰熱伝達量は幅があるが、小さい方の値として約0.4 MW/m²の熱流束が想定されている。このような場合には、上面の沸騰熱伝達のみで除熱しようとすると、約100m²(円直径で11.3m)の床面積が必要になる。凹部に捕集された複数の小体積物にすることでどれ位効率的に冷却できるのであろうか?面積は減るのか?
日本の原子力委員会は2010年平成22年8月17日に次世代炉の開発計画を検討している。それでは次世代PWR・HP-APWRは178万kwの電気出力(熱出力4451MW)で「炉心溶融デブリの保持・冷却対策はIVR(In-VesselRetention 炉心溶融デブリ炉内保持)により強化する。また海外における規制に応じた対策も採り入れることが可能な設計」。だから三菱の本命技術はIVRで、コアキャッチャーは欧州対応の追加的技術なのだろう。
WH社のAP1000は115万kw.でIVRである。出力が1.5倍以上になるからAP1000のような原子炉RVの外面冷却では足りるのであろうか?「ハニカム多孔質体を伝熱面に装着する手法で冷却限界性能を向上」させる技術開発に森昌司(横浜大学)を代表に三菱重工、東京大学の研究グループに国費を投じている。
http://www.ripo.ynu.ac.jp/senryakusuishin/wp-content/uploads/2014/09/topics_2014_msh.pdf
http://www.jst.go.jp/nuclear/application/h26/ini_kadai.html

 

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