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メルトスルーから3.5時間後にPCVの底が抜ける?東京電力・柏崎刈羽原発6、7号機 [AM-メルトスルー、CCI]

柏崎刈羽原発の6、7号機、地震などで緊急停止した後、原子炉の注水がダウンするとメルトスルーします。溶__20110903.jpg融した炉心は、核燃料だけでなく燃料支持板、制御棒やら、そのガイドの管とか厚さ約17cmの鋼製の圧力容器を溶かし込んだ混合物、デブリになっています。溶けた約2000℃以上のデブリが12m下の直径10.6mの円形のペデスタル床に落ちていきます。
 東電核災害では、ペデスタルの壁際にあるドレンサンプピットという集水桝に堆積した。そしてそこの鋼板やコンクリートを熔かしMCCI・コアコンクリート反応を起こした。
 原子力安全基盤機構JNESの平成21年度地震時レベル2PSAの解析(BWR)では4. 格納容器シェルメルトスル解析」でコアクックリート反応MCCIを解析している。
http://www.nsr.go.jp/archive/jnes/atom-lib/docs/article/index/id/954/art/1
「MELCOR1.8.5 コードを用いて、・・簡易モデルを組み込んで整備をした後、内的事象時を含め圧力容器破損後に落下するデブリ量、圧力容器下部ヘッド破損条件及び格納容器への代替スプレイの有無について感度解析を行い、ソースタームへの影響を検討」している。その結果として、デブリによる浸食の大きさも出している。

BWR-5_MARK2デブリの浸食b.jpg
検討対象をBWR-4で MarkⅠ格納容器、電気出力50万kW級にしている。それは「MarkⅠ型格納容器を有するBWR-4 プラントでは、原子炉圧力容器下部の床と格納容器の床とが同じ高さの構造になっているため、原子炉圧力容器破損後に落下したデブリが,格納容器の床に広がり、デブリが冷却できない場合には,高温のデブリが格納容器の壁に接触し,一部が溶融貫通する可能性がある。」という理由を挙げている。
 しかしNRC米国原子力委員会のNURGE/CR-6025では炉心の下、ペデスタルと呼ばれる開口部のある台座で囲われたエリアとドライウェルの床面が同一レベルまたは小さな段差しかない、MarkⅠ型PCV格納容器を対象に検討が行われている。 同じMarkⅠでもBWR-4、BWR-3、BWR-5では、出力密度や安全系の設備が違うから圧力容器下部の破損条件等が違い、時刻などに違いが生じる。
 JNES研究では約2.3時間(140分)後にメルトスルーを開始し先ずデブリの10%落下、3.2時間(200分)後に40%・合計50%落下、10.5時間(630分)頃に残り50%が落下する。新潟県が柏崎刈羽原発6、7号機のベントフィルターを検討する際に東電核災害に類似した条件とした極限ケースと参考ケースでは約5~6時間後に全量が一度に落下する。重量当たりの崩壊熱は、2時間後に較べ四分の三程度に減っている。
 JNES研究では約2.3時間の落下後、約50分ほどはコンクリート浸食は見られない。落下量が10%・20トンと少ないからであろう。それから3.2時間(200分)後に40%・80トンが新たに落下し100トンになる。それで浸食・MCCIが始まる。時刻で約5.5時間(330分)後に浸食深さ20㎝。約5.5時間後から約250分、約9.8時間(580分)後で浸食深さ40㎝。10.5時間(630分)頃に残り100トンが落下して加わり200トン。時刻で12.5時間(760分)で約180分後、浸食深さ60㎝。更に約290分、時刻で17.5時間(1050分)後で浸食深さ80㎝に達している。時刻で約25時間(1410分)後、約360分後には100㎝。

 極限ケース・参考ケースのように約5.5時間後に全量200トン落下した場合は、約125分後の時刻で7.5時間後に浸食深さ20㎝。さらに約180分後、時刻で10.5時間後に浸食深さ40㎝。更に約290分、時刻で15.3時間後で浸食深さ60㎝。更に約360分、時刻21.3時間後で浸食深さ80㎝に達する。
 JNES研究では50万kw.程度だが柏崎刈羽原発6、7号機は135万kw.で核燃料の量≒デブリの量が2.7倍多い。JNES研究ではデブリは約49m²に拡がるが、柏崎刈羽原発6、7号機のペデスタル床面積は約88m²。拡がり面積当たりのデブリ量では1.5倍になる。つまりJNES研究で全量で300トンの場合になる。約5.5時間(330分)後に300トン落下したとすると、浸食深さ20㎝は120÷1.5で約80分後の時刻6.9時、浸食深さ40㎝は約120分後の時刻8.9時、浸食深さ60㎝は約195分後の時刻12.1時、そして時刻16.1時頃に深さ80cmまで浸食が進む。
  柏崎刈羽原発6、7号機では新潟県技術検討委員会が東電核災害に類似した条件とした事故シナリオの極限ケース、参考ケースでは約5~6時間後に全量が落下する。そして東電核災害・福島第一と同じにペデスタル床にあるドレインピットにデブリが堆積し、ピット寸法もと同じだとするとピットの底からPCV格納容器の底部までは約40cmのコンクリートだから、時刻8.9時にPCV底までデブリで浸食される。JNES研究からは、そのように推測される。東京電力は時刻では約8時にはPCVは過温破損すると評価している。トップフランジなどから放射能は放出される。それから1時間後には、PCVの底からデブリが地下に出ていく。
 地下水、海水がデブリで汚染されることになる。福島第一の汚染水処理の経過を見ると東電に対応能力があるとは考えにくい。

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