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東京電力・柏崎刈羽原発6、7、メルトスルー後にPCVの底が抜けないか [AM-メルトスルー、CCI]

柏崎刈羽原発の6、7号機、地震などで緊急停止した後、原子炉の注水がダウンするとメルトスルーします。溶けた約2000℃以上の核燃料が12m下に落ちていきます。炉心は直径約5.2m、高さ約5mです。それが溶けて一番下の直径10.6mの円形のペデスタル床に落ちていきます。溶融した炉心は、核燃料だけでなく燃料支持板、制御棒やら、そのガイドの管とか厚さ約17cmの鋼製の圧力容器を溶かし込んだ混合物、デブリになっています。
先行研究(MARK-1格納容器、BWR-4原子炉)を参照すると、デブリの総量は約346トンです。先ず10%・30トン位落下して、落ちおえた時の高さ、デブリの厚さは約1mと推測できます。

落下先のPCV格納容器の下部は図のような作りです。床の作りは、厚さ約5mの鉄筋コンクリート基礎の上に推定約1.6mの鉄筋コンクリートを上乗せして、表面に鋼製ライナーを張ってあります。ペデステルの壁で囲まれています。東京電力の資料ではペデスタルの壁近くにドレンサンプピットがあります。

ペデスタル底面01.jpg
中央部に落ちたデブリが周辺に拡がって行く。その速度はデブリの温度、つまり流動性によって1秒間に数mから数cmとされています。ペデスタル床の半径は5.3mですから数分のうちに壁まで到達します。壁間際のドレインピットはドレン水を集めて溜める集水桝ですから、デブリも流れ込みます。
東電核災害の福島第一3号機での解析では、デブリが全量落下したらデブリがドレンサンプピットに入り、厚さ85㎝の堆積をつくり68cmの深さの浸食をつくったと解析されてます。これは、ドレンサンプピットに冷却水が流れ込むという条件での解析です。冷却水がない場合は、浸食はもっと多くなります。
 
ペデスタル底面03.jpg
福島第一3号機の出力は78.4万kW、柏崎刈羽原発の6、7号機の出力135.6万kWですから核燃料の量は約1.7倍、デブリも約1.7倍。6、7号機のABWRのドレンサンプピットが福島第一と同じなら、ピットは満杯になり少なくとも厚さ120cmの堆積ができます。その上にも堆積ができるので、もっと厚くなるでしょう。単純な比例計算では浸食の深さは約96㎝以上。ピット底面のコンクリートの厚さは160cmマイナス120で約40cmです。PCV格納容器の底をデブリは破って50センチ以上建屋の基礎部に出ています。
ペデスタル0a2.jpg
柏崎刈羽原発は2007年の中越沖地震で原子炉建屋各所にひびが入り水が染み出ています。東電は見えるところはモルタルで埋め、塗装をし直し修復しています。
 東京電力は「福島ほどの大量の地下水の流れはありませんが、深いところでは海水に近い水が出てくるので建屋の外壁に止水処理をしています。」「敷地への降雨が地下水となるという点は柏崎刈羽原子力発電所も同様と考えています。 なお、柏崎刈羽原子力発電所の建屋周りは、福島第一のように地下水が原子炉建屋やタービン建屋に流入するようなことがないよう、止水処理を施しています。」と柏崎市での説明会で2013年9月に述べています。中越沖地震でこの止水処理もガタガタでしょう。
http://www.tepco.co.jp/nu/kk-np/info/tohoku/setsumei/250901.pdf
 地下水は、実際には夏場の雨が少ない時期でも1日当り約2600m³の地下水を1~7号機全体で汲み上げていると新潟県に答えています。汲み上げて目につく建屋内部への流入を抑えている。福島第一の1号機は川を埋めた場所、2-4号機はその伏流水が流れている場所ですから、「大量の地下水の流れ」があるでしょう。それで800~1000m³を汲み上げています。それに比べれば地下水の「流れの水量」は少ないでしょうが、総量としては約3倍あります。それは、基礎部のコンクリートを通り海に抜けていっている。その地下水の下は「深いところでは海水に近い水が出てくる」と海水が入り込んでいる。
 この地下水、海水がデブリで汚染されることになる。福島第一の汚染水処理の経過を見ると東電に対応能力があるでしょうか。
地下水c7.jpg

 

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