SSブログ

PCV温度では1.9時間後にベント 水素ガスとベント 試論⑫ 訂正 [AM-ベント、排熱]

東電シナリオでは約2時間以内は、メルトダウン中に発生する高温のガスは給水管の破断口からRPV原子炉からPCVに出てくる。メルトダウンの炉心は2000℃位だから出るガスも1000℃以上だろう。PCV全体ではS/Cプールに導かれプール水が熱吸収するが、東電シナリオでは約2時間後にS/Cで約85℃、D/Wで約215℃と東電は評価している。

格納容器温度aturyoku4.jpg

(2014年10月7日付「選定したベントシナリオ解析条件の妥当性について」27、28頁http://www.pref.niigata.lg.jp/HTML_Article/60/47/141007_shiryou2,0.pdf

1.9時間後にベント
この解析から東電の事故想定でSBOが2時間続くと、ベントを開始することになる。事故後2時時刻点前からD/W温度は200℃以上になる。東電はベントは「格納容器の最高使用圧力の2倍、温度としては200℃、これを使用の条件として見ております。」
 「それを超えると建屋内で水素、あるいは放射性物質の両方が漏れ出す可能性がありますので、漏えいのリスクと水素爆発のリスク、両方が高まります。従いましてこの条件でベントすることによって逆に格納容器の中の水素を排出するということになりますので、建屋の爆発についてはリスクを大幅に下げられるということになります。以上です。」(東京電力:川村原子力設備管理部長、平成26 年2月11 日新潟県原子力発電所の安全管理に関する技術委員会)。

 だから東電シナリオでも25時間後にベントは誤っていて、1.9時間位の時刻でベントになる。東電の対応シナリオの様に100%、2時間で電源回復するとは誰も保証できない。だからSBOが続くとしたら安全策を採る(業界用語的には保守的に評価する)と1.9時間位の時刻で初回のベント。

 このPCV格納容器の温度を軽視し東電の様に圧力が最高使用圧力の2倍でベント開始を判断していたら、待っているのは水素爆発。福島第一原発である。
 東電シナリオと県事故シナリオでのベントガスは放射能(気体、微粒子状)、水蒸気、水素ガスからなる。前の炉心が冠水している場合の放射能のブローダウン放出の時の一番の違いは、水素ガスである。水素ガスは一部でも原子炉建屋に漏出すると、爆発・爆轟を起こしうる。その結果、ブローアウトパネルの脱落、開放が起こる。原子炉建屋RBの放射能封じ込め機能が失われる。建屋の破壊が起これば、事故収束が困難になる。瓦礫でフィルタベント設備が破損するかもしれない。

続く


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0