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新潟県民の防災事情に柏崎刈羽原発を合わせよ 防災計画(案)パブコメ草案 [柏崎刈羽原発の防災計画]

2014年2月11日、第4回新潟県原子力発電所の安全管理に関する技術委員会が開催された。その場に東京電力から「防災において想定する事故シナリオについて」との資料が提出された。それでは、18~25時間後にベントとなっている。


今回の防災対策(案)では柏崎市の一部、刈羽村の柏崎刈羽発電所を中心とする半径おおむね5キロメートル圏を、主としてベントなどによるプルーム放出前に避難が実施できるよう準備する区域、即時避難区域(PAZ)と設定している。底に居住する約5万人はベント以前に、18~25時間以内に避難が可能であろうか。積雪など悪条件を想定しなくとも到底無理だと思う。
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つまり、現在の柏崎刈羽原発の設備や人員(人的リソース)では、18~25時間にベントとなるから即時避難区域(PAZ)からのベントによるプルーム放出前に避難はできない。絵に描いた餅である。まず、新潟県は即時避難区域(PAZ)からの半径おおむね30 キロメートル圏外への避難に必要な時間を割り出して、その時間は放射性物質を格納容器内に封じ込める性能を東京電力に求めるべきです。恐らく数日はかかると思いますが、その間はベントせずに済む性能を柏崎刈羽原発に与えるように、東京電力に求めるべきです。

新潟県民が東京電力の事情に合わせる必要は全くない。新潟県民の必要、柏崎市の一部、刈羽村の即時避難区域(PAZ)の新潟県民が30 キロメートル圏外への避難に必要な時間に、東京電力が合わせることを求めるべきです。封じ込め時間を確保できるように、柏崎刈羽原発の設備や人員(人的リソース)を補強、増強を新潟県は求めるべきです。

「即時避難が容易でなく、一定期間とどまらざるを得ない場合は、放射線防護機能を有する施設等に屋内退避することも容認する。」と計画(案)にはあります。しかし、これは東京電力の現有設備、人員では18~25時間でベントになるから避難できない約5万人のうちの大半の人は、放射線防護機能を有する施設等に屋内退避を容認することではないです。

仮に、3日の封じ込め時間を確保する性能が柏崎刈羽原発にあれば、ベントガス・ブルームに含まれる放射能がずいぶん減ります。核燃料から出る希ガスの殆どはキセノンです。クリプトンとキセノンが炉心内蔵量の100%でることになっていますが、柏崎刈羽6、7号機のABWRでは、クリプトンは2%という研究結果もあります。3.11東電核災害での放出放射能の報告書では、放射性キセノン133は11000ペタ(千兆)ベクレル(全放出量の96.9%)と記載されていますが、クリプトンは記載がありません。

そのキセノンの中でも重要なのはキセノン133という核種です。このキセノン133の半減期は約5日で放射線を出さないセシウムにかわります。格納容器内に2日と閉じ込められると約25%は崩壊し3日では約35%減ります。3.11東電核災害での全放出放射能量の96.9%を占めるキセノン133を、約25%、約35%減ります。

また、フィルターを通ったガスを放出する高さも問題です。中部電力は高さ100m以上ある排気塔から、つまり放射能雲の高度を高くして人のいる地上との距離を大きくとり被爆量を減らすように放出しています。東京電力はフィルターベントでは数十メートルの建屋高に排気塔を新設しています。下図のJAEAの本間氏の試算では、100mと60mでは近傍の被曝線量は、ブルーム・放射能雲からの被曝量の差で大きく違います。

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このように防災計画は、柏崎刈羽原発の性能によって大きく変わります。東京電力の「防災において想定する事故シナリオについて」の事故進展、現状の設備などを前提とするなら、今回の防災計画(案)は絵に描いた餅です。再検討してください。


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