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癌細胞を監視・除去するNK細胞が被曝で減った結果? 福島の小児甲状腺癌 [被曝影響、特に甲状腺]

先週は、福島の子供らの甲状腺にあった倍加1年、2年、3年といった平常時では姿をあらわさない癌塊まで、東電核災害後に急速に倍加し他のではないか?それで二次検査される直径5mm以上になって、100万人当り149人も検出されたのではないか。平常時には年間100万人当り1~2人が受診発見が149人の異常な多発は、そのせいではないでしょうか。?とお伝えしました。
 癌病の本性は、癌細胞の増殖暴走です。細胞分裂は1個が2個になります。癌塊が2倍の個数になることを倍加といいます。直径10ミクロン・百分の1ミリ程度の癌細胞が、10回倍加すると個数が千個で10分の1ミリ程度の癌塊になります。更に10回、合計20回の倍加で約100万個で1ミリの癌塊、後10回で30回倍加で10億個で直径1cmの癌塊で、CTやレントゲンで見つかります。34回倍加で直径2センチ程度で何らかの症状が出てくる。
 癌細胞は3から10日で細胞分裂して2個になる性質です。ですから、単純に掛け算すると直径2センチ程になる34回倍加には102~340日です。現実にはそうなっていない。それは、途中で間引かれる、アポトーシス(細胞自死)で減っているからです。アポトーシス(細胞自死)は本来は寿命がきたら、細胞が自己解体して使ってきたアミノ酸などを再利用する仕組みです。またウイルスに感染して乗っ取られた細胞を、免疫系のナチュラルキラーNK細胞などが細胞外から誘導して起こします。
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 この免疫系などが誘導するアポトーシスを完全に回避できれば、102~340日で34回倍加で直径2cmの癌塊ができる。50%では、細胞分裂で2個に増えても次の細胞分裂までに1個がアトポーシスで自死に誘導され何時までも1個のままで増殖しません。この誘導される強制アポトーシスを回避するその癌細胞の性質が、倍加時間を左右します。
 また、免疫系の誘導力もかかわります。疫学研究では、末梢血中の免疫系(ナチュラルキラー NK 細胞)活性が高いヒトではがんの発生率が有意に低く、NK 細胞活性が低いヒトではがんの発生率が高くなることが判明しています。この末梢血中のNK細胞活性は、NK細胞数に相関しています。

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 この免疫系に放射線被曝は打撃を与えます。
「免疫細胞は放射線に弱くて死にやすいことが知られている。これは、成熟Tリンパ球およびBリンパ球(適応免疫をつかさどる長命な白血球)のアポトーシスや、単球および顆粒球(先天免疫をつかさどる短命な白血球)の前駆体である骨髄幹細胞ならびにナチュラルキラー細胞の致死的な傷害によるものである。」放射線影響研究所より要約
 東電核災害による追加被爆は、免疫系に打撃を与え弱めて細胞外からの強制アポトーシスの誘導力は低下しています。誘導力は免疫系の回復と被曝線量の推移に応じて変動しているでしょう。

東電核災害被曝での免疫系の低下変動
東電核災害の発災当初は放射能雲・ブルームからの放射線と放射性ヨウ素などの吸入による内部被爆でかなりの線量を被曝しています。それで免疫系は大きな打撃を受け機能低下したと思われます。

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ブルームが去った後は、地表に沈着した放射性ヨウ素や放射性セシウム(Cs134、Cs137)など放射能がだす放射線による外部被ばくにより打撃を受け低下状態が続きます。この地表からの放射線の被爆量は、原子力保安院の東電核災害の被曝モデルでは1週間の被爆量の34%です。広島長崎の経験では、この急激な免疫低下は被爆後2カ月くらいで回復しています。ただし完全ではなく、広島長崎の被爆者では免疫系の一部(T細胞やB細胞)に持続性の異常が認められています。
 放射性ヨウ素は半減期8日で一月後には10分の一以下、3ヵ月後には千分の一以下になります。その後は地表・土壌に沈着した放射性セシウムセによる外部被曝と摂取する放射能による内部被曝になります。

 その追加被爆による免疫系への打撃が長期に、汚染地に居住する間は続きます。チェルノブイリでは、26年後の今も汚染地に暮らし続ける子供らに、未熟なT細胞やB細胞の増加やナチュラルキラーNK細胞の減少が、見られます。
強制アポトーシスの誘導力が低下が、東電核災害の当初に較べればごく小さいレベルでしょうが汚染地に居住する間は続くと思われます。

アトポーシス誘導力低下と倍加時間
それで、ナチュラルキラーNK細胞の減少など細胞外からのアトポーシス誘導力の低下が倍加時間に与える影響を調べてみました。癌細胞の細胞周期、細胞分裂の時間は3~10日です。同じ環境にいてナチュラルキラーNK細胞などに1日当に出会う機会は同じです。それで3日細胞を基準にして6日細胞は2倍、9日細胞は3倍という風に低下の影響を受けると設定しました。
 それで、細胞周期ごとにアトポーシスを回避する率の変化を算出し、それによる倍加に必要な細胞分裂回数を出し、それをもとに倍加時間を算出しました。

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表の左の倍加時間は、誘導力低下のない場合の倍加時間です。214日は甲状腺癌で、この年齢帯で発症発見されるもの平均的倍加時間。50%は増殖できないもの。
表では誘導力の低下が5%を超えると、その時に体にある全ての癌細胞が1~2ヶ月で倍加する急速に進行する癌病の原因となります。この状況が3年から6年継続すれば、発症でしょうが、広島・長崎の経験からは2ヶ月ほど。
 その後は低下率が1%とか0.5%という状態になったとみられます。それではセシウムなどによる被曝で0.25%低下する環境にいると、普通の多く見られる半年ほどで倍加するタイプの癌細胞、日々生まれる癌細胞のなかのそのタイプが何らかの症状が出てくる直径2センチ程になるのに17年(半年×34回倍加)かかるところが13.9年と短縮し、早期に発症です。既に癌塊がある人も、前倒しで発症してきます。また、回避率が50%で増殖できない癌細胞が、倍加時間2.3年で増殖を行えるようになります。アトポーシス誘導力低下が0.5%なら倍加1.16年のゆっくりと進展する癌として振舞います。0.5%低下なら倍加3年の死後解剖でしか発見されない癌が、倍加1年の普通の癌として顕れます。

 それは年齢別で見ると、新規の発症数が増大する、通常なら後年に発症する癌が早期に前倒しで顕れるとか、通常なら姿を見せない倍加3年などの癌発症で新規発生数が増大し、その前倒しや顕在化が持続するので新規発生が下がらないということです。それはチェルノブイリ汚染地に暮らし続ける子で事故後の新たな癌の発生率が高いままで継続に顕われています。追加被曝継続による誘導力低下持続は免疫系低下の一側面で、病原の菌やウイルスなどに適応して生じる獲得性免疫も低下するでしょう。チェルノブイリ事故汚染地に暮らし続ける子供では病気全般の発生率が高率で継続し、避難した子供、処理作業に従事した人の子では2002年以降低下しています。

 そうした被爆量は多く低下しない=免疫・誘導力の低下率が高く持続する地域に人々を帰還させる、居住を続けさせる政策は正気の沙汰とは思えません。

 2013年12月5日 福島民友は、「『』小児がん治療』推進 福医大病院、来春にも診療科新設」と報じました。
= 福島医大が福島市の同大付属病院に、小児がんの治療に特化した新たな診療科を来春にも開設することが4日、関係者への取材で分かった。小児がん専門の診療科の開設は県内の医療機関では初めてで、診療科名は「小児腫瘍科」が検討されている。同大は専門医の配置など開設に向けた最終調整を進めている。将来的には、同大が小児医療の拠点として整備を進める「こども医療センター」に小児腫瘍科を組み込む方針で、県内の小児医療の高度化、体系化を加速させる。
 福島医大は小児がん治療で高水準の医療技術があり、治療実績は全国的に高く評価されている。小児腫瘍科については小児科から独立する形で開設、現在は小児がん治療を担当する専門医らを配属するとみられる。入院患者の治療のほか、外来診療にも対応する。= http://www.minyu-net.com/news/news/1205/news1.html

治療手段を整備することは大切ですが、病人を出さない増やさないようにする事の方がより効果的です。

 話を福島の小児甲状腺癌の多発に戻すと、検査までに約1年ですから、倍加は3~4回ほど。この倍加増速は全身の癌細胞に顕れますから、甲状腺癌だけが現在多発状態にあることを説明できません。3.11の朝に直径3ミリ程度の癌塊が検査までに5mm.程度までに、通常なら2.4年位かかるところを東電核災害による被曝で1年で加速通過で発生の一部を説明できますが、全ては無理。
 私は放射性ヨウ素による被曝で既にあった甲状腺癌が変異し、約1年後の検査までの間に激速増殖したと思います。 (続く)

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by Stepstowl (2020-02-26 12:16) 

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