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火山と原発と寒冷化・食糧不足 その01 [地盤、液状化&断層]

火山噴火と原発と寒冷化・食糧不足


日本列島を含む環太平洋火山帯は、地震多発地帯だ。この2年ほど火山大噴火が連続している。2022年三月には、パプアニューギニアのマナム火山(1807m)、同年五月にはロシア・カムチャツカ半島のペズイミアニ火山(2882m)、同年12月にはインドネシア・ジャワ島のスメル火山(3676m)が大噴火を起こした。翌2023年には、4月にロシア・カムチャツカ半島のシペルチ火山(3283m)、11月にはパプアニューギニアのウラウン火山(2334m)、12月にはインドネシア・スマトラ島のマラビ火山(2890m)があいついで噴火している。

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 火山活動は100年、1000年単位で変化が起こり、火山の活動期に入る前の静穏期から調査・研究などを開始する長期的視点が不可欠だ。火山噴火の影響を、気候の寒冷化から農業・食糧不足の面と、原子力発電所への影響の面から考えたい。

長州新聞 第9105号 より

 京都大学名誉教授(火山学)の鎌田浩毅氏は、赤道近くの低緯度で大規模噴火か続くと地球の寒冷化をもたらすと指摘している。火山灰を含む噴煙が地上(地表)から10km~50kmの成層圏に達して広がると、マグマに含まれる硫黄が硫酸エアロゾルを形成し。太陽光をさえぎるためだ。
 鎌田氏は、一六世紀以降の大規模な噴火と寒冷化には、相関関係が確認できるものか数多くあるという。 たとえば一七八三年、アイスランド中央部のラカギガル火山が大噴火し、その後数年にわたって世界的な寒冷化をもたらした。ヨーロッパでは平均気温か約一度下がった結果、広い範囲で食料不足になり、遠く離れた日本でも「天明の大飢饉」の原因になった。
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 また一八一五年のインドネシア・タンボラ火山の大噴火は、記録の残るなかで人類史上最大の噴火といわれ、火砕流が二五㎞離れた村を襲い、耕地も壊滅、餓死や病死を含め10万人前後が亡くなったという。噴火によって大量の火山灰が拡散し、六月に寒波が襲来して8月に霜か降り、北米大陸のトウモロコシが全滅した。さらに翌年から北米と欧州大陸では夏が来なくなり平均気温がが例年より4度下がった。


 地球の歴史を長期的視点で見ると、IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change 気侯変動に関する政府間パネル)の脱炭素政策が火山噴火によってひっくり返る可能性は否定できず、寒冷化は世界的な規模で食料不足とそれにともなう動乱や戦争の要因となるため、それに対する備えこそ必要だと鎌田氏はのべている。
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  日本列島には世界の1割に当たる111の活火山がある
 
 続いて原子力発電所への影響の面を考えてみる。



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欧州~電力需要停滞のなかで  原発稼働停止相次ぐ 2024/4 [日々の雑感]

長周新聞 第9107号
欧州~電力需要停滞のなかで  原発稼働停止相次ぐ
 ヨーロッパでは、電力需要か停滞するなかで、電力価格か低下し、コスト競争劣勢に立つ原発の稼働停止があいついでいる。
 フランス電力(EⅮF)は六ヵ所の原発を稼働停止した。今後長期期的に見て、電力市場から原発の締め出しが進む見通しとなっている。コスト競争では価格の安い再生可能エネルギーの促進が、欧州の原発業界に追いうちをかけている。
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 「化石燃料に依存しない電力の生産」を急ぐヨーロッパ諸国の一部では、いぜんとして原発を電力政策の中核に据えている。だか、再生可能エネルギーの急増と電力価格の低下で、原発の運転にしわ寄せが及んでいる。今後きらに厳しさが増していくとの見方もある。
 背景には、エネルギー危機以来、電力需要は十分に回復せず、風力や太陽光の発電量は増加の一途をたどっていることがある。発電電力量に占める原子力と石炭火力のシェアはいずれも低下している。
 エネルギー・電力市鳩分析命社ストームジオ・ネナの関係者は「現在の電力価格では従来型ペースロード電源は苦しいだろう」
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 フランス電力は点検や修理のため長期にわたり運転を停止していた複数の原発を再稼働させつつあったが、出力の低下や運転の休止、停止期間の延長を迫られている。四月初旬には電力価格がマイナスとなる事態が発生し、6ヵ所の原発で運転を停止した。
 スペインの電力価格は五日、二〇一三年以来の水準に低下した。同国の電力取引価格は数週間に わたりゼロをかろうじて上回る水準が続き、アスコ原発一号機と二号機は 過去五週間に通常ベースで出力を下げている。北欧では、原発の出力低下はより頻繁だ。
 他方で、欧州連合(EU)域内で昨年増加した風力発電能力は、過去最高を記録。太陽光発電能力の伸びは三年連続で四〇%を上回った。
 これまでも、電力需要が低下し、太陽光や風力による供給が急増するさいに電力会社は原発の出力を落としてきた。だが、完全に運転を停止させるのは例がない。原発再稼働となると複雑で、時間もかかるからだ。
 フランスの電力スポット価格は今月4月四日以降、1メガワット時当り10ユーロ(約一六五〇円)を下回り続け、六日の入札ではマイナスをつけた。フランス電力が原発運転で採算をとるには卸売市場でメガワット時当り約22ユーロの価格が必要だとの指摘もある。

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火山と原発  古儀 君男 /著 [地盤、液状化&断層]

火山と原発 、 核のゴミ


火山と原発   最悪のシナリオを考える

新潟市立図書館収蔵本 中央ホンポート館
 
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シリーズ名1 岩波ブックレット
シリーズ番号1 No.919
著者名1 古儀 君男 /著  
出版者 岩波書店
出版年 2015.2
ページ数 63p
内容紹介
 多量の噴出物をもたらす「超巨大噴火」が、この日本で起こるおそれも十分にある。もし九州で起こったら、火砕流や大量の火山灰は川内原発、ひいては日本中の原発に何をもたらすのか―。火山の基礎から解説し、絶望的なシナリオを直視する。
NDC分類(9版) 453.821
ISBN 978-4-00-270919-2
核のゴミ    「地層処分」は10万年の安全を保証できるか?!
 新潟市立図書館収蔵本 巻館  ほか
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著者1 古儀 君男 /著  
出版年 2021.6
出版者 合同出版
ページ数 157p
ISBN 4-7726-1464-1
NDC分類(10版) 539.69
内容紹介
 強い放射線を含み、それが安全なレベルに下がるまで10万年の歳月を要するとされる使用済み核燃料。それを地下深く埋める「地層処分」は、地震や火山の多い日本で可能なのか。避けては通れない困難な課題について考える。



著者紹介
古儀 君男  (コギきみお)
者紹介1-1 1951年生まれ。金沢大学大学院理学研究科修士課程修了。元京都府立高等学校教諭。市民を対象に講演会を行うなど、地学の普及につとめる。著書に「地球ウォッチング」など。


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九州電力の玄海原発三号機 海外から燃料調達できず プルサーマル発電休止へ [使用済核燃料、再処理、廃棄]

九州電力の玄海原発三号機 海外から燃料調達できず  プルサーマル発電休止へ

  長州新聞第9102号より

 

 九州電力は4月12日、玄海原発三号機でのプルサーマル発電を休止すると発表した。海外に委託しているウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料が調達できなくなっているためで、再開は二〇二七年度以降としている。発電は通常のウラン燃料を使って続ける。

 MOX燃料は便用済み核燃料からとり出したプルトニウムとウランを混ぜて製造する。九電はフランスの燃料加工事業者と契約を給んで現地で製造していたが、フランスに保有するプルトニウムかなく製造できなくなり、昨年十一月に始めた定期検査での燃料交換プルサーマル発電を止めた。

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 今月一日、イギリスに別途、保有するプルトニウムと、原発が稼働していない東北電力などがフランスに保有するプルトニウムを交換して確保したが、加工や輸送に時間がかかるため、再開には少なくとも三年程度かかると見込んでいる。

 世界のプルトニウム燃料製造施設は、過去にはフランス、アメリカ、イギリス、ドイツ、ベルギー、ロシア、インド、などで運転されていたが、現在、アメリカ、ベルギー、ドイツは製造を中止している。これまでにドイツ・シーメンス社・八ナウのプラント、フランス・コジェマ社・カダラッシュのプラント、イギリス・BNFL社・セラフィールドのMDFプラントに加えてベルギー・ベルゴニュークリア社・デッセルのプラントが閉鎖された。

 MOX燃料製造は、過去には高速炉用燃料が主体であったが、西欧諸国の高速炉のあいつぐ停止により、日本でも供給が滞っている。

 そのためヽ電気事業連合会は今年二月十六日、電力大手が原発の燃料として海外に保管しているプルトニウムを、各社間で帳簿上交換する契約を締結したと発表した。原発が再稼働していない社の保有分を、すでに動いている社の保有分と交換することで、早めに燃料として消費し削減できるようにするというものだ。この時点で交換するのは九電、四電の二社がイギリスに保管する計一・七トンと、東北電力、東京電力ホールディングス、中部電力、北陸電力、日本原子力発電の五社かフランスに保管する計一・七トンだった。

 

 今回、九電と四電は、東北電などが保有するプルトニウムと帳簿上交換したうえで、フランスで処理されたMOX燃料を輸入する。九電は、フランスにはMOX燃料に加工できるプルトニウムを保有していないが、既に閉鎖しているイギリスの加工工場には保有している。そのため事業者間で融通し合うことができる枠組みを便つて、他の事業者がフランスに保有しているプルトニウムを使うとしている。


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中電に地震対策申し入れ、鳥取県・米子市・境港市 2024/04/04 [核のガバナンス]

中電に地震対策申し入れ、2024/04/04 鳥取県・米子市・境港市  


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長州新聞第9100号
鳥取県のサイトより
(2024年4月4日)
令和6年能登半島地震を受けた島根原子力発電所2号機の安全性等に係る申入れ


https://www.genshiryoku.pref.tottori.jp/s/index.php?view=11180
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場所
中国電力鳥取支社6階大会議室
 
3 出席者
鳥取県知事 平井 伸治
米子市長 伊木 隆司
境港市長 伊達 憲太郎
中国電力株式会社
代表取締役副社長執行役員電源事業本部長 北野 立夫
常務執行役員電源事業本部島根原子力本部長  長谷川 千晃
常務執行役員鳥取支社長兼電源事業本部島根原子力本部副本部長 籔根 剛

4 申入れ文書
・中国電力への申入れ文書 [pdf:58KB] 
https://www.genshiryoku.pref.tottori.jp/upload/user/00007802-TTU9ek.pdf
5 申入れ内容
 ・令和6年能登半島地震では半島北側の沿岸部の断層が150キロ程度にわたって動いたとみられ、志賀原子力発電所2号機において使用済燃料プールのスロッシングによる溢水、変圧器の油漏れ及び外部電源の一部喪失が確認された。島根原子力発電所2号機の安全確保対策はどうなのか。追加する対策が必要であればどうするのか。
 ・志賀原子力発電所が同地震直後に行った情報発信では、主変圧器の火災報告及び水位報告が後に訂正されるということ並びに周辺モニタリングポストの欠測があった。島根原子力発電所ではどうなのか。改善が必要であればどうするのか。
 ・新規制基準に適合している島根原子力発電所2号機について、同地震を踏まえて安全性についてどう認識しているのか。継続的な安全性向上に向けてどのような取組を実施するのか。
 ・同地震の教訓を踏まえ、大規模な自然災害と原子力災害の複合災害が起こり、孤立集落発生、家屋倒壊、道路損傷等により屋内退避や避難が困難となる住民が生じた場合について、貴社において屋内退避や避難の完全実施に向けどのような対策を考えているのか。

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