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天然放射能・・カリウム40から 原子力発電環境整備機構・NUMOのPR⑩ [使用済核燃料、再処理、廃棄]

原子力発電環境整備機構・NUMOの、再処理ででる放射性廃棄物を地中に捨てる「地層処分」のPR説明会について何回かに分けて書いてみる。その10回目、。

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天然放射能・・元素生成論から
宇宙で生成する元素、水素やヘリウムのような軽い元素は宇宙の始まりのビッグバンで生成し、徐々に集まりガス状の雲となり「恒星」をつくった。その引力で原子同士が押し付けられ、温度上昇によるエネルギーを生み出deepwater-horizon-oil-spill-7-728_fe.jpgし、新たに陽子、中性子の結合が進み、元素が次々と生み出された。これは熱核反応・核融合と呼ばれてる。それより陽子数(原子番号)が26の鉄までの元素は恒星の中の核融合・熱核反応で生成されている。さらに重いニッケル(28番)銅(29番)銀(47番)ヨウ素(53番)金(79番)鉛(82番)ウラン(92番)などは、中性子星爆発、超新星爆発や赤色巨星など中性子が多い環境に置かれた鉄(26番)以下の元素が核融合反応連鎖を起こし、rプロセスやsプロセスという過程を経てできる。極単純化した言い方だが、宙を行く元素(26番以下)に星爆発エネルギーで星の破片・中性子の塊がくっ付く、巨星の中で原子同士、元素同士が押し合いくっ付く。


原子核種は理論的には10000・1万種と予想され、確認されたのは約3300種。その内で人の身体を作るような安定核種・元素は約300種。理論的には約9700の、確認済の3000不安定核種は宇宙空間を漂う間に、または天体を作ってから、そうした不安定核種はそれぞれの半減期・寿命に応じて崩壊を繰り返して安定核、安定元素になる。不安定核種は10半減期で1024分の一、20半減期で104万8576分の一、30半減期で約10.7億分の一に減量、減少する。その差引き分が、その不安定・放射性を失っている。別の不安定核種になってそれぞれの半減期・寿命に応じて崩壊する。安定核、安定元素になるまで継続する。
幾つか見てみよう。その1回目


陽子数19ヶの原子核は24種類知られ、カリウム・Kとよばれている。中性子数は13~36あり、半減期は大半の15種で分以下、一時間以下が4ヶ、一日未満が2ヶ。3種類が安定的普遍的に地球上で存在する。地球上の約3.2%は中性子20ヶの安定核のK-39。 6.7%は22ヶ安定核のK-41。0.1%は20ヶのK-40で不安定核。
半減期は1.248×10の9乗・12.48億年である。宇宙は推定137.99±0.21億歳だから、ビッグバンの直後のできた物も半減期は10回以上迎えて、千分の999以上は崩壊して千分の一位残っている計算になる。
地球の誕生時に在ったものも、推定45.4億年歳になり3.6回は半減期を送っている。約8%が残り約92%が崩壊した計算になる。この残ったものでK-40は安定的に存在する。
崩壊の約9割はβ崩壊で陽子数は1ヶ増えて20ヶ、中性子数20ヶの安定核・カルシウムCa-40に、約1割は電子捕獲で陽子は一ヶ減り中性子が1ヶ増え、アルゴンAr-40のガスになる。

自然放射能5cb6.jpgカリウムは地殻中では2.6%を占める7番目に存在量の多い元素であり、その約0.1%はカリウム40。地面からの放射線照射は止まらない、、無くならない。
地下のマグマにも一定の割合では含まれていてカルシウム40とアルゴン40という別の元素に崩壊で変わる。ガスである「アルゴン40」はマグマから抜け出してしまう。しかし火山の噴火などによって地表に出たマグマは冷えて固まる。そうすると「アルゴン40」は岩石の中に閉じ込められ、時間とともにその量を増していく。壊変による「アルゴン40」の増加のしかた・「カリウム40」の減少のしかたは方程式であらわされている。量が判れば、存在比が測定できれば、岩・マグマが冷えて火成岩が出来た時代が判る。この年代測定方法は「カリウム-アルゴン法」と呼ばれる。

カリウムは、生物にとっての必須元素である。植物の生育にも欠かせない、肥料3要素の一つに数えられる。動物では神経伝達で重要な役割を果たす。人体では8番目もしくは9番目に多く含まれる。
このため食物からカリウム40からの放射線被曝は無くならない。 続く

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原子力発電環境整備機構・NUMOの、再処理ででる放射性廃棄物を地中に捨てる「地層処分」のPR説明会が7月29日に新潟市であった。参加申し込みをした。しかし、当日参加できず、ネットで公開されている「当日の資料 (映像資料)・「地層処分とは・・・?」はこちら https://www.numo.or.jp/pr-info/pr/video/#sec_01
(説明用資料)・『説明資料』(PDF形式:607KB)PDF https://www.numo.or.jp/taiwa/pdf/setsumei_taiwa2018.pdf」などを見ての感想。



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コメント 1

師子乃

初めまして。

カリウムの放射性物質について、とても勉強になりました!

難しい問題ですね。
by 師子乃 (2020-09-06 18:27) 

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