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2017/6/15の福島事故検証「地震動による重要機器の影響(第11回)」の傍聴記(上) [東電核災害の検証・新潟県技術委]

6月15日に新潟県の安全管理に関する技術委員会の福島事故検証課題別ディスカッションの「地震動による重要機器の影響(第11回)」があった。資料は http://www.pref.niigata.lg.jp/genshiryoku/1356871104705.html
その勝手気ままな傍聴記。
テーマは1号機の水素爆発、逃がし安全弁(SRV)の動作状況。
水素爆発問題の焦点
水素爆発の焦点は、4階で水素爆発の有無。4階の水素は、4階にある非常用復水器・ICの配管が損傷して、原子炉圧力容器から漏洩した水素ガス。それ以外の箇所、5階シールドプラグなどから漏れ出た水素ガスは、軽いから階段部を経て最上部の5階に集まるのが道理である。4階のIC配管からの漏洩は、天井に近い漏洩箇所から先ず天井部に溜まってから5階に上がっていく。その溜まった水素ガスが爆発すると、その爆圧、爆風は天井部=5階床や大物搬入口という開口部に向かうだろう。
1号機の爆発前には、開口部には約5.5m四方の鉄製1.5トンの二つ折りになる蓋が乗っていてふさがれていた。4階で爆発が起きれば、その蓋が吹っ飛ばされるだろう。その蓋は、今はない。これが、水素爆発の解析で、大物搬入口の蓋が何処へいったか?論議する理由。

往生際が悪いな東京電力
東京電力は、第10回、2月のディスカッションの時は、5階の爆発により横方向に爆風を受け、蓋が5階や建屋外へ移動するなど6ケースを出してきた。委員からコメント、批判をうけて、①爆発で蓋が下階に落下すると②5階の爆発で蓋が二つ折りにやや成り、その後5階側壁の伴う上向きの流れにより5階や建屋外へ移動するの二つだけに絞った。階下落下してたら見つかるだろう。「上向きの流れ」といっても1.5トンの鉄製品が、ガイド溝から外れて姿が見えなくくらい移動したか、今だに発見されない位遠方に飛び出たのだから、流れというよりも爆風というべきだろう。往生際が悪い。
そして、爆発シミュレーションの①または④のケースが”整合的”のと主張している。①と④は4階IC配管からの漏洩がないという条件でシミュレーション。4階IC配管の損傷を認めたくないのがアリアリとわかる。かといって、明確に、IC配管損傷からの漏洩はないとは断言できない、断言しない。田中三彦委員は「不等号・>の開いているほうが、そちらに向いているような印象をもたせてる」と皮肉っていた。

天井板の落下を再現できない
爆発シミュレーションは、精度や限界も論議された。鈴木元衛委員は質問文書が出されていた。たとえば、建屋の5階の天井、これは厚さ10cmのコンクリパネルを専用のクリップ型鋼材で留めた構造だそうで、水素爆発後にパネルごとそっくり外れ落下して、使用済み核燃料プールに落下しているそうだが、爆発シミュレーションでは再現、説明できない。そういった限界がある。4階に漏洩した水素ガスの量や溜まり場所の設定次第で、非常用復水器・ICの配管が損傷して、原子炉圧力容器から漏洩した水素ガスの爆発が起きたと説明できる。

こうした限界や精度を持つから、県技術委では、ディスカッションのコアメンバーとしては、IC配管損傷がないという東電主張は受け入れないが、爆発シミュレーションのやり直しも求めず、IC配管損傷があるということも考慮して論議を進める方向になったかな?
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