SSブログ

東電核災害の経験を無視・・高浜原発パブコメ [AM-メルトスルー、CCI]

 4-1.2.2 格納容器破損防止策(p178~209) について

 東京電力福島第一原発1号機では、ペデスタル床の機器ドレンサンプピットに推定約80㎝と厚くデブリが堆積した。そして、デブリによってピットに設置された原子炉補機冷却系RCWが溶融損傷したと見られる。1号機の原子炉建屋では、各所の放射線量を測定したところ、RCW配管で高い線量が測定されているからである。

 このような原子炉から溶融貫通し落下したデブリがドレンサンプピットに厚く堆積すること、それによる配管の溶融損傷の可能性、それが格納容器外への放射能の拡散ルートになる可能性は以前から指摘されている。ゼネラル・エレクトリック・カンパニイの1994年に出願した特許(特許登録番号3510670)の「コリウム遮蔽体」、(株)東芝の2009年出願の特許(特許登録番号5306074)の「原子炉格納容器ドレンサンプ」は、その対策の技術である。

高浜原発などPWRは、格納容器再循環サンプが原子炉格納容器内最底部にある。流出した冷却水と非常用炉心冷却設備及び格納容器スプレイからの水を溜める。注入水源(燃料取替用水タンク)が空になった後にここに溜まった水を使うので、格納容器外の注水ポンプへ通じる配管がある。東京電力福島第一原発1号機で実際に起きたであろうデブリがドレンサンプピットに厚く堆積することが、格納容器再循環サンプで起きるであろう。

 1979 年に米国のスリーマイル島(TMI)原発でおこた核災害、TMI事故では希ガスとヨウ素が環境に放出された。主な経路の一つに補助建屋内に通じる配管、汚染水ドレンをピットから補助建屋内のタンクへ送る配管がある。隔離が不完全で汚染水ドレンタンクからオーバーフローして放射能が環境に放出された。

 デブリの再循環サンプでの堆積、そのデブリによる配管の溶融損傷、次に不完全な隔離の段階を経て環境汚染が生じる。先ず、再循環サンプでの堆積配管の溶融損傷を防止する策を講じることが必要である。東京電力福島第一原発1号機では実際に起きているのだから、無策は許しがたい怠慢である。次に不完全な隔離を検出して隔離を完全なのにする対策である。

 高浜原発の審査書(案)では、特にデブリの再循環サンプでの堆積と配管の溶融損傷を防止する策を審査していない。対処する技術は既にある。原子力規制委員会の審査、論議は不十分であり、審査をやり直すべきである。

炉心状態、東電_111130_09-j.jpg

02マーク付.gif
この点も
多様性
受動的と能動的

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0