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玄海原発3号機、お粗末な施設点検で停止、2018/3/31(下)追記あり [核のガバナンス]

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この箇所が雨水侵入があろうが無かろうが、外装板の表面に錆が管と同じ位の大きさ約6cmに拡がっている。これを見落とす、見過ごす点検、検査を九州電力はしていたことに驚愕する。
管の厚み・肉厚はどれ位になっていたのだろう。仕様・設計値は、外径が60.5㎝(50A)材質が圧力配管用炭素鋼鋼(STPG38)で肉厚が3.9mm、最高使用圧力が1.37MPa(約13気圧)。関電の美浜発電所3号機の漏洩個所は、仕様・設計上は4.7mm、管設置時10mmあった厚さが、事故直後の検査で最も薄いところで0.4mmになっていた。中を流れる水の機械的作用による浸食と化学的作用による腐食との相互作用によって起きる減肉現象(エロージョン/コロージョン)で配管の厚みが徐々に薄くなり、強度が不足し、内圧(約10気圧)により破損したものと推定されている。九州電力の玄海原発3号機の漏洩個所は、管の水平部に出来た凹みに管内面に向かい段々に凹んでいる部分に出来ている貫通孔(長さ13mm×幅6mm程度)と見られている。管の内側から挿入したファイバースコープでは明らかな内部からの凹みが確認できないと、九電は減肉現象を除外しようとしている。内部からの減肉が少量でも、配管減肉の点検管理でどれ位と見られていたか。
日本の加圧水型軽水炉PWRは、1990年(平成2年)5月PWR二次系配管の減肉に対する管理方法がまとめられ、この指針に従って二次系配管の減肉検査を実施されている(当時の規制当局、資源エネルギー庁公益事業部に届け出されおりオーソリティあり)。玄海原発3号機の漏洩個所に、この減肉検査が何時行われ、その点検結果はどうであったかを九電は明らかにすべきだ。(2007年2月 追記に詳しく)
この箇所は、外装板の隙間から保温材に雨水が浸入し保温材が湿潤状態となり、配管の外面に腐食が発生することが予想されており、侵入防止に継ぎ目にコーキング(充填)を施していると九電は公表。要警戒・要注意箇所なのだから、外見上わかる腐食・錆が見逃された経緯を規制委員会は究明すべきである。

追記
4月7日毎日新聞の記事によれば、2007年2月に定期事業者検査を実施。「九電幹部は『内部から厚みが減ることしか想定していなかった』と話す。」「山元春義取締役は5日、報道陣の取材に『1次系、メインの点検を繰り返し、屋外の2次系は目が届かなかった』と認めた。」
「長期停止も腐食の一因とみられる。配管は運転中、200度近い水が流れて表面も高温になる。雨水が保温材に入っても配管の熱で蒸発するが、長期停止中の配管は温度が低いので雨水が残り、腐食しやすい状態が続いたとみられる。」
「同じ構造の原発を持つ四国電力は同様の配管が屋内にあり雨水の影響はない。関西電力は屋外にあるが『配管がステンレス製のため腐食しにくい』という。」

https://mainichi.jp/articles/20180407/ddp/012/040/014000c
西部朝刊の記事
3号機蒸気漏れ1週間 屋外管腐食「想定外」 九電、点検徹底せず

タグ:玄海原発
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