再臨界が起こるかも!日本のデブリ対策(事前水張)・高浜原発パブコメ回答から② [AM-メルトスルー、CCI]
メルトスルー前に事前に原子炉下部に水張策(日本だけの特異な奇異な対策)の効果・機能は?
欧州のコアキャッチャーはセシウムCs137の放出量を30TBq以下になるようにする「最良の手段」と評価されている。(欧州電力事業者要求仕様/EUR) 水蒸気爆発を起きなかったら事前水張はコアキャッチャーと同等の効果・機能を持つのだろうか?
規制委は、メルトスルーした溶融炉心は事前注水された下部に溜まった水に落下することから粒子化などで「形状が失われ、ホウ酸水が注入された状態において、デブリが臨界(原子核分裂の連鎖反応が一定の割合で継続している状態)に至ることは考え難いと判断しています。仮に再臨界が起こったとしても、そのエネルギーは崩壊熱に比べて十分小さいため、問題にならないと判断しています。」
再臨界を規制委は完全に否定していません。JCOの臨界事故では核物質は粉末でした、しかし臨界が起こりました。形状やホウ酸水の濃度などで、原子核分裂の連鎖反応が一定の割合で継続している臨界に至ることがあるのです。その条件を検討し、可能性を試算し、その値も示さなくては説得力はない。それをせず「考え難いと判断」という修辞(言葉を巧みに用いて表現すること)に逃げています。言語明瞭意味不明です。
また再臨界は「崩壊熱に比べて十分小さい」としています。崩壊熱は緊急停止直後は出力の約7%、停止からの時間経過に従って減っていきます。比較の物差しになっている崩壊熱は、何時の時点の崩壊熱量なのかを示さなければ意味のある文にはならない。これも言葉を巧みに用いて、意味がない文に意味が有る気に見せる修辞です。
そして再臨界が起きた場合、規制委はエネルギー量・熱量だけを問題にしています。崩壊熱では中性子線は出ませんが、再臨界では生成します。それは事故収束にあたる作業員の方に被曝をもたらします。中性子線の量にもよりますが、JCOの臨界事故を想起すれば、かなり酷い状態にもなり得る。そうなる可能性があるのに、誰が収束作業に当たるのか。
そして中性子線があたった物質が放射能になってしまう。(放射化) また、核分裂が持続的に起こるから、当然、放射能が新たにでき続ける。それによる汚染は、どれ位になるのか。セシウムCs137の総放出量が30TBq以下になるのだろうか。
汚染水の後始末は泥縄
また、規制委の説明通りなら、キャビティに注ぎ込まれた水は微粒子状のデブリを含んだ汚染水に化します。少なくとも1700トンの汚染水。微粒子化などにより「冷却性が高くなる」と規制委は良いことだけを言っていますが、汚染水の始末まで考慮に入れると果してどうでしょうか。
東電の福島原発では、溶融物が何処にあるのかもわかりません。微粒子化したら一層見つけ難い。取り出すのも難しい。粒子化した溶融核燃料は、どのように集めるのでしょうか?
東電の福島原発での汚染水から放射能を取り除く装置の稼働状況をみると、微粒子状のデブリを含んだ汚染水からの、微粒子状のデブリの除去はどうやると上手く取り除けるのだろうか。
東電の福島原発では、溶融物が何処にあるのかもわかりません。微粒子化したら一層見つけ難い。取り出すのも難しい。粒子化した溶融核燃料は、どのように集めるのでしょうか?
東電の福島原発での汚染水から放射能を取り除く装置の稼働状況をみると、微粒子状のデブリを含んだ汚染水からの、微粒子状のデブリの除去はどうやると上手く取り除けるのだろうか。
規制委は「適切な対応は検討できる体制を整備する方針であることを確認しています。」としています。つまり、微粒子状のデブリを含んだ汚染水の始末は何も考えていない。これが発生する対策を採っているのに、発生を予定しているのに、事故が起きたらその時になって考える、検討する。正に泥縄。(泥縄とは、泥棒を捕らえてから縄を綯う、⦅なう⦆を略したもの。泥棒を捕まえてから、慌てて泥棒を縛るための縄を作ることで、事が起きてから慌てて準備すること)
溶融局所化装置(Melt Localizing Device、るつぼ型のキャッチャー)などは、その点を考えられていますね。
資料1 関西電力株式会社高浜発電所3号炉及び4号炉の審査書案に対する意見募集の結果等及び発電用原子炉設置変更許可について(案)【PDF:4MB】
タグ:高浜パブコメ回答
2015-02-22 08:09
nice!(0)
コメント(0)
トラックバック(0)
コメント 0