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川内原発パブコメ(9) 格納容器再循環ユニットによる除熱は不確実、静的格納容器冷却系(PCCS)の設置を求める。 [核のガバナンス・パブコメ]

「Ⅳ-4.5 最終ヒートシンクへ熱を輸送するための設備及び手順等」「Ⅳ-4.6 原子炉格納容器内の冷却等のための設備及び手順等」「Ⅳ-4.7 原子炉格納容器の過圧破損を防止するための設備及び手順等」における格納容器再循環ユニットによる格納容器の除熱について

意見の要旨

今回の審査書(案)(以下審査書)では、格納容器再循環ユニットによる格納容器の除熱についての審査が不十分である。再審査と静的格納容器冷却系(PCCS)の設置を求める。

意見

このAMは、平成13年度までに整備されている。「原子炉格納容器スプレイ系の作動に失敗し、格納容器圧力の異常に上昇した場合に、格納容器再循環設備の空調冷却器(格納容器再循環ユニット)に原子炉補機冷却水を通水して水蒸気を凝縮させ、自然対流により格納容器内を減圧、冷却するものである」。このように「アクシデントマネジメント整備有効性評価報告書」、平成14年5月に経済産業省へ九州電力など原子力事業者が提出した書類に書かれている。当時の規制当局、原子力安全・保安院の評価は「整備された AM は、原子炉施設の安全性を更に向上させるという観点から有効であることを定量的に確認した。」である。

審査書では、凝縮水についての審査が不十分である。一つは、凝縮水は冷却コイルやフィンに付着するが、その付着による伝熱性能の低下が考慮されていない。重大事故等時にユニットには、凝縮水だけでなく格納容器スプレイに由来する微細な水滴も冷却コイルやフィンに付着する。その付着による伝熱性能の低下が考慮されていない。九州電力は「自然対流による除熱能力は、格納容器内雰囲気温度・圧力、ドラフト高さ、ダクト抵抗、冷却コイルサイズ及び冷却水温度により決まり、重大事故等時における格納容器内雰囲気温度149℃において格納容器再循環ユニット1個当たり約5.9MWの除熱量が得られる。」(資料4-2、51頁)としているが、凝縮水付着による伝熱性能の低下はパラメターに挙げられていない。

 二つ目は、凝縮水の蓄水による格納容器再循環ユニットの閉塞である。重大事故等時にユニットには、格納容器スプレイに由来する微細な水滴や凝縮水が、冷却コイルやフィンに付着し、その間に蓄積する。流れ落ちるものもあるが、表面張力などで留まり、冷却コイルやフィンの間に水の壁を作るものもある。

 格納容器スプレイが無ければ、それに由来する微細な水滴はユニットに流入しない。代わりに様々なエアロゾルが流入する。「格納容器過圧破損や格納容器過温破損の重要事故シーケンスにおける炉心損傷に伴い発生するエアロゾルについては、自然対流冷却が開始される前に、大容量空冷式発電機から給電可能な常設電動注入ポンプによる格納容器スプレイにより除去される。」(資料2-1、22頁)

格納容器再循環設備の空調冷却器(格納容器再循環ユニット)の電動ファン(送風機)が稼働すれば、水滴などが付着しても吹き飛ばすのかも知れない。しかし、検討している重要事故シーケンスは、当然全交流電源喪失・SBO条件での格納容器過圧破損や格納容器過温破損も含まれる。それは、電動ファン(送風機)が働かない条件での格納容器再循環ユニットの除熱・排熱・冷却効果が評価、審査対象にふくまれる。

凝縮水などの水壁の対流閉塞効果、気流への抵抗の評価、審査が不十分である。格納容器内の雰囲気温度149℃の容器内空気が格納容器再循環ユニットに流れ込んでこない、小量しか流れ込めないのかの評価、審査が見当たらない。

このように九州電力の採る格納容器再循環設備の空調冷却器(格納容器再循環ユニット)による格納容器除熱では、不十分である可能性が高い。新規制基準第三十二条第6項「発電用原子炉施設には、一次冷却系統に係る発電用原子炉施設が損壊し、又は故障した際に生ずる原子炉格納容器内の圧力及び温度の上昇により原子炉格納容器の健全性に支障が生ずることを防止するため、原子炉格納容器内において発生した熱を除去する設備(安全施設に属するものに限る。)を設けなければならない。」を十全に満たしていない。

そこで静的格納容器冷却系(PCCS)の設置を求める。AP1000で採用されている格納容器壁面冷却による静的な格納容器冷却系は無理である。日本原子力研究開発機構が2006年に公表している横型熱交換器を用いたPCCS、(株)日立が次世代ABWRで設置を予定して開発研究が済んでいる、(株)東芝がEU-ABWRで採用している静的格納容器冷却系(PCCS)の設置を川内原発に求める。

 資料4-2
第4回原子力発電所の新規制基準適合性に係る審査会合の資料4-2

資料2-1
第108回原子力発電所の新規制基準適合性に係る審査会合の資料2-1


再循環.jpg
AP1000.jpg 
5-17.jpg 

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