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放射性廃棄物の規制 原発の産廃は100Bq、市町村の焼却灰、下水汚泥は8000との怪奇 [使用済核燃料、再処理、廃棄]

19日、東京電力は柏崎刈羽原発で出た放射性廃棄物の管理方法を公開しました。新潟市など県内5市は放射性セシウムが1kgあたり100Bq(ベクレル)以下の震災がれきを受け入れると表明していますが、柏崎刈羽原発では100Bq以下のゴミもドラム缶に入れて厳重に管理し、搬出後もコンクリートや土で外に漏れ出さないようにしているそうです。

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 柏崎刈羽原発では、1985年の運転開始以来、原子炉建屋や発電タービン建屋など放射性物質が付く可能性のある「管理区域内」のスプレー缶や取り替えた配管、原発から出る放射能の廃液を濃縮固化したもの、浄化に使ったフィルターや濾過装置などの放射性産業廃棄物をドラム缶に詰めて保管しています。燃えるゴミ系の手袋や作業服などは洗濯をして何度か使った後、原発内で燃やしてその焼却灰をつめます。焼却炉能力は100万Bq/kgの廃棄物を入れると1000万Bq/kgの灰になるそうです。


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 放射能濃度は、セシウム137でみて100~1000Bq/kgが多く、毎年、ドラム缶約3000本分ずつ増え、約4万5000本を保管でき、約3万3000本分たまっているそうです。公開されたのは、その一部を最終処分するための準備作業です。針金やスプレー缶などの燃えないゴミの作業です。防護服とマスク姿の作業員がドラム缶の中身を取り出して、種類別に分けて埋設対象外の鉛や可燃ごみを手で取り除く、圧縮用の容器に詰めてつぶす作業、この容器を輸送・埋設用の別のドラム缶に詰め直し、中身が動いたり、漏れ出したりするのを防ぐため、砂とセメントを混ぜたモルタルを流し込んで固める作業です。表面の放射線量を確認した上で輸送コンテナ容器に収納します。

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 青森県六ケ所村の「低レベル放射性廃棄物埋設センター」へ運ばれ、地下20mにあるコンクリートピット(箱)の中に入れるコンクリートピット処分、土を数メートル掘ってドラム缶を入れ、周囲をコンクリートで固め、放射性物質を吸着しやすい土をかぶせる素掘り処分されます。新潟市などが受け入れを表明している震災がれきと同種の燃えるゴミ系、その焼却灰は原発構内で保管中です。最終処分されていません。東電の公表している処分法は、モルタルで固めてコンクリートピット処分です。同様に新潟市など5市は震災ガレキの焼却灰を処分するのでしょうか?

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3.11前の放射性原発産廃の処分法

この管理・処分方法は、東電フクイチ核事故前に定められたものです。このように運転中の原発から出る放射性産廃だけでなく、廃炉になった原発から出る解体・廃炉のゴミに関しても定めがあります。1986年に始まった日本原子力研究開発機構の東海研究所にある試験研究用沸騰水型原子炉JPDRなどの廃炉・解体を契機に定められました。

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 解体廃炉の産廃を、大きく「クリアランスレベル廃棄物・CL」と「放射性廃棄物でない廃棄物・NR」とそれ以外の特別な処理が必要なものにわけます。放射性廃棄物でない廃棄物は、(ア)原子炉建屋や発電タービン建屋など放射線管理区域にあったもの、主なものとして金属類、コンクリート類で、(イ)使用履歴から放射能で汚染されていないで、直接測定で汚染が認められなかったもの、(ウ)使用履歴から放射能で汚染されている可能性があるもので、はく離など除染作業をおこない直接測定で汚染が認められなかったものです。これは再利用・リサイクルしたり一般の産廃として処分場に捨てられる。

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 除染作業ででた剥離のコンクリート片など放射能汚染された物で、、ある汚染レベル(クリアランスレベル)以下のもので、地下深くにコンクリートピットをつくるなど特別な廃棄法を免除/クリアランスしてリサイクルしたり一般の産廃として処分場に捨てることにした放射性廃棄物を、クリアランス廃棄物・CLといいます。

クリアランスレベルは、10μSv/年=0.01mSv/年の線量を目安に放射能濃度を定めています。33種の放射能(核種)であり、放射性セシウムだけなら100Bq/kgです。これは、解体廃棄物以外に原発など核施設において用いた資材一般に適用されていて、柏崎刈羽原発でも100Bq以下のゴミは一般産廃としての廃棄処理は法的には可能です。

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 農薬などでは、魚毒性など放出された環境中の野生生物への影響を考慮に入れて規制しますが、それはありません。また排出濃度だけではなく出る総量でも規制する総量規制もされますが、そうした視点もありません。昭和40年代の公害規制以前の、旧い枠組みで考えられていて、とにかく大量に捨てる、廃棄する為の規制に見えます。

3.11後の高濃度化

 3.11の東電フクイチ核事故で大量の放射性セシウムが東海原発や浜岡原発など東日本の核施設に降り注ぎました。解体した試験研究用沸騰水型原子炉JPDRなどの保管廃棄物にも降り注ぎました。その結果、放射性廃棄物でない廃棄物・NRやクリアランスレベル廃棄物・CLの放射能濃度が上昇しました。

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原子力保安院は、次のような運用の変更を行いました。クリアランスレベル廃棄物・CLは降下したセシウムも含めて0.01mSv/年以下にならOK。放射性廃棄物でない廃棄物・NRは降下した放射性セシウムが検出限界以上あっても除染をして0.01mSv/年以下になるなら、NRとして扱い、リサイクルや一般産廃で処分場に廃棄できる。つまり、0.01mSv/年以下なら、一般ゴミという扱いにしました。

 この2種の廃棄物、CLもNRも、想定しているのは金属類、コンクリート類など燃えないゴミですが、放射性セシウムが降下した地域の震災がれきには、燃えるゴミ系も含まれています。原発で発生する手袋や作業服など燃えるゴミは、構内の放射能を煙に出さない対策が施され管理される専用の焼却炉でやかれます。放射能が濃縮しクリアランスレベル、セシウムだけなら100Bq/kgを超えるので、焼却灰はドラム缶に詰められ保管されています。東電フクイチ核事故の後も同じ扱いです。

 放射能汚染された燃えるゴミ系の震災がれきは、特別な対策も管理もされていない一般の焼却炉で焼かれています。県内には柏崎刈羽原発構内にある焼却炉だけが対策管理されていますが、新潟市など5市の焼却炉は、放射能で汚染された廃棄物を大量に処理する対策設備も管理体制もありません。まずそこが問題です。

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 国は一般のごみ焼却炉でも煙突に付いているフィルターが煙中の放射能を漉しとると言っていますが、こうした機器の性能は新品では同一でも、使っているうちに個々で変りますから、試験してみないと分かりません。また、フィルターが有効なら、そこで捕まえられる飛灰に多くの放射能が含まれます。炉に残る灰(主灰)と合わせた焼却灰に放射能が濃縮されます。原発の例を見てもその濃度は、クリアランスレベル・0.01mSv/年の被曝線量を目安にした放射能濃度を超えます。柏崎刈羽原発ならドラム缶に詰めて保管です。新潟市などは、どうするのでしょうか?

 国・環境省はこれまで、放射性セシウムが1キロあたり8千ベクレル以下の焼却灰や下水汚泥などは、これまでと同様に埋め立て処理やリサイクル。8000を超えたものは、通常の埋め立て処理ではなく、放射性物質汚染対処特別措置法に基づき、国の責任で処理する。既設・新設を含め、コンクリートなどで固めた最終処分場に埋め立てると説明してきました。

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 8000Bq/kgという値は、東電フクイチ核事故で高度に汚染され既に外部被曝線量が高い福島県など地域で、生活ででる焼却灰や下水汚泥の処理に迫られて、緊急に定めた値です。廃棄物の保管、輸送、埋め立て処分などの過程で労働者の外部被曝線量が1mSv/年以下、最終処分地付近の住民の外部被曝線量が1mSv/年以下にすべきという原子力安全委員会の見解に従って設定された値です。

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 100Bq/kgというクリアランスレベル値は、他にも地下水に混じって出た場合での被曝、リサイクルされた場合の被曝など様々な被曝経路を考え、0.01mSv/年を目安に設定されています。単純に比例計算すれば、8000Bq/kgという値は0.8mSv/年の被曝を強要するのです。1年もたっているのですから、少なくとも8000から100、クリアランスレベル値に下げるべきです。

事実上、1キロあたり8千ベクレル以下の廃棄物は一般の廃棄物と同様に埋め立て処理やリサイクルができるとなったら、将来、柏崎刈羽原発が廃炉になったときに、柏崎に置き去りにできることになります。

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 国・環境省はこれまで、都道府県ごとに1カ所に最終処分場を集約し、国の責任で処理すると説明してきました。しかし、19日に発生した市町村ごとに最終処分場を設けて埋め立てると方針転換しました。それで群馬県と話をつけました。国は何処まで信用できるでしょうか?篠田市長、新潟市議会は、どうするのでしょうか?


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脱国民洗脳はベンジャミン・フルフォード


国民電波洗脳による、テレビ、新聞、週刊誌、ラジオ等の、嘘八百の洗脳情報と、嘘と騙しの仕掛けと、策略に満ち溢れた世の中で、思考停止状態にある日本人は、自分自身の脳、すなわち思考そのものを点検せよ! 騙しと、策略の煽動に乗せられるな! 我々はハッ、と気付いて、いや、待てよ! と立ち止まり、常に注意深く、用心深く、警戒し、疑いながら生きれば、騙されることはない。 全ての常識や事柄を疑うべきだ!


by 脱国民洗脳はベンジャミン・フルフォード (2020-08-28 09:15) 

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